9月19日(水) 雨 水墨技法─積墨法のし方
午前 野外で写生できないので、宿舎2階のベランダで近くに見える樹をモチーフに劉老師の積墨法示範
樹木の積墨法(2種)
- 筆に含む水墨の量をおとし少し乾きめにてから筆を入れていく(滲みすぎないよう)
- 幹を画く
- 四面(前後左右の立体)を意識する
- 手前にはり出す枝を濃いめの墨で画く
- 先に画いた枝と少し透き間を空けながら主になる幹を画く
- 四面をはかりながら枝を入れていく
- 以降、葉を画いていく時も幹枝に随時、筆を加え積墨していく
- その際、同じ所をなぞるのでなく側面に筆を入れると立体感や変化がでる
- 葉を画く 2種
- 淡墨から始める積墨法
- 淡墨から始める
- 乾いてから淡墨を重ねる
- 次第に濃度を増していく
- 濃墨から始める積墨法
- ポイントになる重要な所を濃墨で決める
- 最初に入れた濃墨との関係をとりながら淡墨を重ねていく
- 積墨法の特色:
- 重厚さ(安静)に加え透明感と潤い(透露)のある墨色が得られる
- (これは宣紙を用いた水墨技法の特点の一つ 画面を積墨法でおおえば墨の膠が紙地に浸透し紙もより堅牢になる)
- 墨を加えていく時の注意点:
- 保
- 破(少し破って変化をつけていく)
- 留(意を配る)
- 壮(強く壮大に)
- 弱
- 乱
- 蔵(7割はかくす)
- 渾(最も難しい 渾然一体となったさま)
- その他:縵(決してあせらないように)
- 急いでまだ乾かないうちに墨を加えたり、いきなり濃墨を加えたりしない
- 油っぽい手で紙にさわらない 墨をはじき積墨に不自由する
- (紙の左右上角に唾をつけて壁に貼り、絵を仮に鑑賞する場合もあるが)このやり方も、唾をつけた部分が墨をはじく
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午後 ベランダで雨に煙る太行山遠望を葉書絵小品に写生
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9月16日(日) 出発 水墨画の写生ための用具
17日(月) 嶂石巌散策─蛇岩など
18日(火) 塔の岩の写生 王一明
19日(水) 水墨技法─積墨法のし方
20日(木) NEXT→《淮泉寺記》
21日(金) 嶂石巌散策─大王台
22日(土) 峰廻路転写生1日目─秦お爺さんと黒
23日(日) 2日目─小虫が大発生
24日(月) 3日目─嶂石巌路起伏多
25日(火) 4日目─嶂石巌の音
26日(水) 5日目─蝋燭の明かり、深い闇
27日(木) 6日目─客人
28日(金) 7日目─写生結束
29日(土) 懸崖の箱庭─凍凌背
30日(日) 帰路
北京信息 2001.10.2写
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