朝方、秋風が吹きすさび、寒さを増す
行きがけ、途中の民家の通りで秦老と会う 老は荷をかつぎつつゆっくり歩くので先に行く 再び午をいただく
小虫が大発生 日本でも町の郊外に緑と土の多かった子供の頃、よく飛んでいた 都市の生活ではすっかりみかけなくなっていた これは邪魔もの すぐ鼻先、目の前を黒い点が飛び交い、悪ければ眼の中に入ってくる 画きかけの白い紙の上にもどんどん止まってくるので、潰してシミにならないよういちいちはらわなければいけない
栗鼠(りす)が岩の透き間つたいにすばやく走る 栗鼠の通り道になっているのだろう
17:30下山
晩、温水がでシャワーを使うが、途中で水になったので冷えないよう早めに寝る
そこに訪ねてきた横浜本牧に住む于小伙子(小伙子は若者の意味 今回のメンバーで最年少、10代後半)が、張爽(女流水墨画家、中央美術学院山水画系教授張凭の娘)に水墨画を習っていたことを知る 小学生のお子さんに水墨画を教えに横浜まで通っていると、張爽から当時聞いていた その子がもうこんなに大きくなり、あの頃からずいぶん経ったと感慨する
9月24日(月) 晴後霧 峰廻路転写生3日目─嶂石巌路起伏多
明け方、秋風
今日、秦老は来なかったので持参した饅頭(具のないもの)2個で午飯
すぐ左側は崖が高く切り立っており、上空をオレンジ色の腹をした小鳥が飛び交う 画の上に糞を直撃される 9月11日ニューヨークのビルに旅客機が直撃し仰天した大事を連想する 比べればこれはほんとに瑣事
17:35下山
嶂石巌路起伏多
通う山道は、辺りにふつうにみかける、太行山独特の赤地に縞の入った石を粗く切って敷いてある 凹凸があるので注意して歩かなければいけない 道々さまざまなことが浮かんでくる
母が次第に病が重くなってきていた頃、病院に通う途中の新宿の工事中の路でころび怪我をしたこと 当時その場にいれず後で聞いただけだが、ふだんだったらころぶはずのない道をころぶ 自分の意に反して身体の自由がきかなくなってきていることに気づかされる、無念さを想う
晩19:30 講評会
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9月16日(日) 出発 水墨画の写生ための用具
17日(月) 嶂石巌散策─蛇岩など
18日(火) 塔の岩の写生 王一明
19日(水) 水墨技法─積墨法のし方
20日(木) 《淮泉寺記》
21日(金) 嶂石巌散策─大王台
22日(土) 峰廻路転写生1日目─秦お爺さんと黒
23日(日) 2日目─小虫が大発生
24日(月) 3日目─嶂石巌路起伏多
25日(火) NEXT→4日目─嶂石巌の音
26日(水) 5日目─蝋燭の明かり、深い闇
27日(木) 6日目─客人
28日(金) 7日目─写生結束
29日(土) 懸崖の箱庭─凍凌背
30日(日) 帰路