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 中央美術学院 山水画室 太行山写生旅行




9月27日(木) 晴れ後曇り  峰廻路転写生6日目─客人

電気がつき、あっけなく文明生活へ戻る
全員の記念撮影 07:30宿舎前の道に新しくできたばかりの、「嶂石巌」と大きく刻された石碑の前で全員の記念撮影(横浜の于は手続のため日程半ばで帰京、張と荒井は撮影のため写っていない)

今日は、同室の王一明と孔藍という山東曲阜からきた女性の同学が同行する
王一明からは昨日同じ場所で写生をしたいときいていたが、孔藍については直前に王一明からしらされたもの いつもよりゆっくりと上る 途中休んだ場所で孔藍は自分の水入れを倒し、水を使い切る
着いてみて王一明はこの環境が気に入ったようだが、孔藍はあからさまな疲れと失望の色を隠さない ここ数日孔藍は写生ができていないとも言う 孔藍はしばらくお喋りをした後、下山する しかしやがて上ってきた秦老と共に孔藍も来る 秦老が来れば店の水も飲めるし、この場所で写生することにしたという
王一明《嶂石巌写生》 午、雑炊をいただく ソーダ水と雑炊は王一明の奢り しかしこれまでの日々の午は、無償で提供していただいたもの みな持参した饅頭を食べ残す
王一明は、気勢を大事にするため、始め非常にラフなタッチから入っていき、次第に濃墨で埋めていく(右写真)
孔藍は周囲の崖を骨書きした段階で終わり
17:30下山
22:30テレビでサッカーワールドカップ予選中継 中国対阿連 1:0で中国が勝つ いつのまにか中国がワールドカップ出場へあと一歩のところまできていた

9月28日(金) 曇  峰廻路転写生7日目─写生結束

07:30劉老師、休み明けの美院校内での公開展示のため、めいめいの今までに画いた全ての写生から1人につき2点選定

今日は昨日の2人は来ない
秦老来たる
午、白湯(さゆ)のみをいただく
予想したことだが、昨日で今までの関係とは変っている
ここは今日で終わりにするので秦老の写真を撮る
寒くなってきたので少し早めに下山
槐泉寺の小坊主が画をみせてくれと頼むので、開けてみせると驚く
宿舎の部屋に戻ると、今朝の2枚の選び方に不愉快の王老が来て王一明に愚痴をこぼしている
私の考えた劉老師の選定基準:
 ○透明感、潤いのあるの積墨で統一された画、2、3日をかけ積墨の分厚い感じが良い
 ×密に画いていても白描風、ないし白いすき間がめだち積墨の足りないもの
 ×南方(杭州中国美術学院)風の画き方(例えば20分で1枚画くような)
 ×概念で画いたもの
劉老師の選び方は、山水画室主任の賈又福の眼に適うものであるはずであり、それは中央美術学院山水画室の特色としてある それと違う南方的なもの、個性的なものはある程度指導方針からはずされるだろう ある不満の点がでるのは、学校という組織に在籍する以上やむをえない(こうした傾向を“学院派”と呼ぶ)

晩19:30 講評会
 私の峰廻路転の写生に対する劉老師の批評:中国画の用筆はないが内涵がある 用心がある その他おほめの言葉をいただいたがよく覚えていない
会の最後に発言を求められて片言の中国語で言ったこと:
 “我説的不太好。
 対我来説,這写生很難的機会,毎天毎天很宝貴。因為我的専業是研究山水画的歴史,特別感興趣北宋山水画。太行山是有関五代的荊浩、北宋的范寛。所以我毎天毎天很高興。
 劉老師、班長、大家,我非常感謝你們。”


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9月16日(日) 出発 水墨画の写生ための用具
  17日(月) 嶂石巌散策─蛇岩など    
  18日(火) 塔の岩の写生 王一明    
  19日(水) 水墨技法─積墨法のし方   
  20日(木) 《淮泉寺記》        
  21日(金) 嶂石巌散策─大王台     
  22日(土) 峰廻路転写生1日目─秦お爺さんと黒   
  23日(日)       2日目─小虫が大発生    
  24日(月)       3日目─嶂石巌路起伏多   
  25日(火)       4日目─嶂石巌の音     
  26日(水)       5日目─蝋燭の明かり、深い闇
  27日(木)       6日目─客人        
  28日(金)       7日目─写生結束      
  29日(土)   NEXT→懸崖の箱庭─凍凌背     
  30日(日) 帰路            




 北京信息   2001.10.2写 

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