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 常熟・杭州・蘇州古琴行4        秋月

第四回古琴打譜会議 まとめ

  1. このような大会は記録され残るもの 録音 楽譜も
    打譜の成果や結論はすぐにはでない 個人がさらに修改、深化する過程 じょじょに聴く者の内に広まっていく 説得力あるものが残る 遺っていくものはほんのわずか

  2. 如何に記譜するか 演奏しただけでは消えていく 伝え遺していく

  3. 打譜会は継続される 3年後以降、第5回打譜会議が開かれるだろう 世界遺産に古琴が登録される可能性が高く、その場合予算が確保されるので北京あるいは上海でも開催可能になる

  4. 常熟と日本とのつながり 朱晞(虞山琴社)の発表『虞山琴派的渊源及流變考略』 東皐心越と虞山派のつながりを指摘された 論点は、

    1. 常熟白雲→荘臻鳳蝶庵→心越という伝承関係があること
    2. 心越が携えた琴譜の中に虞山派の代表琴譜である《松弦館琴譜》があること

    中国の古琴は伝承関係を重視します。その意味でこの関係はたいへん重要なことなのですが、詳しい史料のない医師?白雲がどういう人であるのか、琴譜もあり比較的史料のある荘蝶庵の琴の内容がどういうものであるのか、それが心越にどう伝えられたのか、今後更に研究されるべきでしょう。
    また《松弦館琴譜》で当時の琴歌の流行をしりぞけ古琴独奏曲のみを編集し、以降現代にいたるまで器楽曲主流の流れを打ち出した虞山派の理念と、琴歌を精髄とした琴歌集である《東皐琴譜》との矛盾をどう説明するのか。琴譜の本質的な内容にたちいった研究が必要でしょう。
    江戸の琴が虞山派に源をもつとすれば、これは名誉なことですが、性急な結論をさけさらに検討が必要

  5. 上記もふまえ今回の会議では、琴歌の打譜が1つのみ 詞のつきまとうさまざまな問題があるが、もっと琴歌に注目した研究、打譜があってよい

打譜とは何か?

 打譜とは琴にのせた古代への旅
  1. 版本(テキストクリティク)
    原典にあたる 
    最早期版本を重視
    同一琴譜中の善本
    各琴譜間の比較
    誤植の校訂
    指法の検討

  2. 琴派、時代、地域の違いを考慮 
    原曲のイメージを探る
    解題 標題 関連史料 作者と時代と地域の趣味をできるだけ追体験する(その最も善いものをつかむ)

  3. 初試奏 原曲の古代のイメージを探りながら
    (この段階では他の打譜は聴かない方がよい 原譜にあたう限り忠実に打譜)
    定弦(調弦 三分損益と純律の扱い)
    音高の決定(減字右辺に朱で書込み)
     中立音の扱いの検討
    主題を捜す
    主題に最もふさわしい(主題を強調する)リズムを与える
    主題を中心に曲の構造を分析する
    (大構造「漸縵」「入縵」「縵」の指定重視)
    曲全体にわったて節奏(リズム)と速度の決定(減字右辺に繰返し修正できるよう鉛筆で書込み)

  4. 試奏 打譜の一応の完成
    (この段階で他の打譜は聴き参考にする 曲に生き生きとした自発性を与えるため原譜の装飾的な部分を変化させてよい)
    反復修正していく(リズム、速度の変化に加え、力感、強弱の変化もつけていく)変化を旨とする
    故人との対話 永遠の未完成
    小曲3月、大曲3年

  5. 記譜
    未完なのだが記譜してもよい いそいで記譜しなくてよい
    減字譜
    簡譜
    五線譜



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  中国古琴行    2001.9.1写 

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