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 中国絵画オリエンテーション


【中国絵画のみかた】
A.なにを使って描くの〔材料技法〕
水墨画
(線)の絵画〉 ←→ (面)の絵画〉
毛筆(狼亳、羊亳)のタッチ
(「中鋒」と「側筆」、濃淡、乾湿、遅速の変化)
  岩絵の具、膠(不透明)
→水墨、淡彩(グラデーション)
白描」画   没骨(線がない)」画

  五代
技法 着色画 水墨画
主題 道釈人物画 山水画
形態 宗教画 観賞画 タブロー
形式 壁画 巻物、掛軸、冊

 
熟絹(加工済、にじみにくい)   熟紙」(加工済、にじみにくい) 生紙」 (実際には半熟半生 宣紙など、にじみやすい)
松煙墨 油煙墨
 表は時代の目安をあげたのみで、それが全てを表わすものではない

B.なにを描いているの〔内容〕
人物・山水・花鳥の3大ジャンル 宋時代の徹底した「写実」
自然(華北←→江南の南北問題)、時間の絵画(四季、四時、盛衰、動き)

C.どうしてパースが狂っているの〔視点〕
宙に浮かぶ視点、移動する視点 「臥遊」
1画面に複数の視点「三遠」(郭煕『林泉高致』)「散点透視法」(現代中国)

D.どんなふうに描くの〔構築性〕
透視法: 立体の意識「三面」「四面」
比例の目安としての人「三大」(『林泉高致』)
シンメトリーの「主山」「主松」(『林泉高致』) 
龍脈」「開合起伏」「疎密」「虚実

E.光はどうなっているの〔明暗法
光の表現「明暗」「陰陽」「晦明」「煙嵐」、人物画の瞳
太陽光源でなくものの内側から発する光、存在の光
「明暗」はあるが影はない(例:人物画の顔に影を描かない)
(反例:墨竹は影の投影、蘇軾『赤壁賦』の影、陶淵明の魂魄と影の問答)

F.眼に見えないもの 心のイメージ 「写意 」「写真 」
コンピューターグラフィックスとの共通点
(1.視点… bird's eye view  浮遊する視点、移動する視点
 2.全方位からみたイメージ
 3.主体…自我を超えたなにか)
自然」 人間を超えた自然 信仰の対象としての山水
 老荘思想、「気韻」「胸中の丘壑
「画中有詩、詩中有画」、詩書画一体
シンボルとしての琴(沈黙の音楽)

G.なんでハンコが押してあるの
(パソコンのデスクトップ画面に並ぶアイコンのようなもの?)
収蔵印(鑑蔵印) 作者の印 詩書画一致→篆刻詩書画一致

H.鑑賞と保存
表装、表具に対する審美眼 1.比例分割 2.布の合わせ 名物裂 金襴・緞子

I.理論、鑑賞批評のサポート
郭煕『 林泉高致』 黄公望『写山水訣』 董基昌の南北二宗論
王原祁『 雨窓漫筆』 石濤『 画語録』 龔賢『画訣』『 課徒画稿』など

J.どうしてふだん中国の絵がみれないの
場所・時間に合わせた掛け替え、保管の必要 (油画は掛けたまま)

【歴史のなかで】
絵画の流れの大きな転換点
1.唐中期 山水の変(水墨画のはじまり) →道釈人物画から山水画へ
                      壁画からタブロー(巻軸)へ
  宋時代 古典絵画としての高みに登りつめる
2.元時代 絵画の変(文人画の確立)   →文人画の展開
                      「写実 」から「写意 」へ
3.明末の変 山水空間の解体       →山水画から花卉画へ

A. なにがメインストリーム 
北宋山水画→元四大家→明呉派→明末董基昌の南北二宗論(文人画優位論)→清初正統派→
(日本では、時代により外来の影響を断続的に受けるため、メインストリーム、本流=「正統」という考えを作りにくい)

B. 宋元と明清という分け方 …日本の中国画観 宋元の幽玄・明清の平明

C. 重点都市の移動 
唐 :長安(西安)
北宋:汴京(開封)
南宋:杭州
元 :呉興 
明 :蘇州  明末:松江(上海近郊)
清 :南京(宣教師を通じた西欧との接触)
   揚州「金臉(けん 人物画)銀花卉、要討飯画山水」『揚州画苑録』
   山水画→花卉画へ 高度な鑑賞水準→大衆的な平明さへ
民国:上海

D. 流派の移り変わり 
浙派と呉派 松江派 正統派と個性派 黄山派 揚州八怪 海上派

E. 文人ってどんな人
職業画家と文人画家の身分的な区別がある(日本には文人階層がなかった)
(アジア的な「個」の意識、古代性 例「赤壁図」「夜座図」)
」というキーワード(復古という歴史意識、「個」を無化する意識)
仿」というキーワード(創造的模倣)
 現代日本のオリジナリティ神話 完全にオリジナルなものはない
 西洋と中国は伝統主義(メインストリーム重視)
文人画と抽象絵画

F. どんな画家がいたの
六朝     顧ト之
唐      呉道子
五代・北宋 〔華北〕荊浩 李成 范寛 郭煕 許道寧 〔江南〕董源 巨然
南宋     李唐 馬遠 夏圭 牧谿
元      趙孟頫 黄公望 呉鎮 倪瓚 王蒙
明      沈周 文徴明 唐寅 仇英 徐渭 董其昌
清      八大山人 石涛 王原祁 王翬 惲寿平 龔賢 法若真 弘仁
       揚州八怪(金農 鄭燮 李方膺  
       趙之謙 任頤 
民国     呉昌碩 斉白石
現代     黄賓紅 潘天寿 黄秋園

【日本との関係】
明治まで、日本では中国絵画はたえず時代の先端だった
過去の中国からの多大な影響 日本の骨肉に 東アジア美術圏を形成
ただし片寄った中国文化の受容の歴史がある
日本に入ってきた中国絵画(中国支流が主、本流は奈良時代などわずか):
1.ローカルな特徴
  雲南、広東、台湾、日本にかけてのモンスーン地帯の風土 没骨系
  日本人の好み(母系的なやさしさと情緒)からの選択
2.中国絵画の支流(職業画家、浙江・福建地方絵画)が主体
3.日本的に改編 中国の構築性、論理性→平面化、デザイン化、情緒化
   中国絵画の豊かで複雑な構築的絵画の関係性を、抽象化し単純化

飛鳥 朝鮮経由 六朝(南朝?)絵画
奈良 沿海経由 唐の中央、本流の絵画
平安 前期は本流絵画(仏画)
  (後期 遣唐使廃止、民間交流の中で一部宋のリアルな水墨画)
鎌倉 禅宗道釈人物画 
室町 禅宗水墨画 寧波仏画 浙派と浙江地方絵画(常州花鳥画など)
   一部南宋絵画
江戸 黄蘗宗 呉派末流 福建地方絵画  …煎茶の世界で珍重される
明治以降 一部本流絵画(北宋絵画、呉派等) 民国絵画(呉昌碩など)
戦後 明清絵画の欧米への流出
   台北故宮博物院の公開(二玄社複製群)
   日本の美術史上で初めて本格的に中国本流の絵画にふれる






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