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仏光寺 菩薩頭部 |
南禅寺 菩薩頭部 |
五台山の諸寺のうち、五台の5峰の内にあるものを台内、外にあるものを台外とよびます。台内の寺が多数で、台外の寺は、仏光寺・南禅寺・延慶寺・広済寺・尊勝寺・岩山寺・秘密寺の7つの青廟(ラマ教でない寺)のみです。このうち岩山寺はすでにまわりました。仏光寺・南禅寺・広済寺・尊勝寺の4つの寺を今日まとめてまわります。
昨日でラマ教の息のかかった寺は食傷しました。そうした寺や文物は北京でも見慣れていますが、チベット仏教の極彩色の味のない造形はどうもなじめません。
今日一日、五台の5つの峰を巡ることも魅力的でしたが、まず気にかかる2つの古寺をまわるのを優先し、招待所の経理のおばさんが朝の電話で運転手をたたき起し安配してくれた車で、晴れた台懐鎮を出発しました。
南禅寺 |
![]() 南禅寺はこじんまりとして、主な建物は三間の大仏殿のみ、残りは明清の重建です。この大仏殿が、唐時代の建中三年(782)に建てられた、中国で最古の木造建築です。角張って張りつめた平たい屋根の稜線が印象的です。殿内には柱を雲形肘木で支え、壁画も化粧天井もなくシンプルなつくりです。 |
![]() ![]() ![]() ![]() 塑像は釈迦を中心として17尊。2弟子阿難・迦葉、2脇侍菩薩、文殊・普賢菩薩(獅子・白象を含む)、2菩薩、2供養菩薩、2童子、2天王。 |
![]() ![]() ![]() 後補のためか多少動きにぎこちない所が感じられますが、後補の色彩はどぎついほどではありません。全体にやわらかく素朴、やさしい顔立をし、唐時代のバランスのとれた健康的な息吹が伝わってきます。もしたとえるなら奈良の秋篠寺のそれに近いでしょうか。 |
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広済寺 |
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仏光寺 |
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唐時代の建築・東大殿 |
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東大殿の唐時代の壁画 |
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東大殿の広い空間には35尊の中唐の塑像がみちています。むかって左から文殊菩薩、阿弥陀仏、釈迦仏、弥勒仏、普賢菩薩の主尊が、それぞれに脇侍を従えています。 |
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![]() ![]() ![]() 殿内むかって右奥には、愿誠和尚と寧公遇という施主の女性の、二人の唐代の肖像彫刻が坐しています。 |
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尊勝寺 |
![]() 五台山への登山の行き帰りには、必ずこの尊勝寺を経るために「五峰の咽喉(のど)」と呼ばれました。今は民国に建てられた9層12角99尺の塔が五台山入口のランドマークになっています。帰りにこの塔の上まで登ってきました。最上階は窓が小さいため見晴しはいまひとつでした。 |
岩山寺といい、今日まわった南禅寺・仏光寺・広済寺といい、今でも車でやっといけるような中心からはずれ、貧しく変化に乏しい場所にあったからこそ、中国では例外的に歳月を経て残ってきました。特に南禅寺・仏光寺は、天気もよく、丘陵を利用した風光明媚な自然に位置するたたずまいが印象に残りました。
7月14日(金) 北京 大同
15日(土) 大同 雲崗石窟
16日(日) 大同 華厳寺 懸空寺 木塔 岩山寺 五台山
17日(月) 五台山台内の諸寺
18日(火) 五台山台外 南禅寺 広済寺 仏光寺 尊勝寺
19日(水) ★NEXT→五台山 羅[目候]寺 太原
20日(木) 太原 休息
21日(金) 太原 山西省博物館
22日(土) 太原 平遥
23日(日) 平遥 太原
24日(月) 太原 天龍山石窟
25日(火) 太原 北京