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 山西省古美術旅行(北部)


晋祠聖母殿パノラマ

鉄獅子         晋祠聖母殿のパノラマ      斜め横に伸びるのが周柏







 7月14日(金) 北京 大同
 7月15日(土) 大同 雲崗石窟
 7月16日(日) 大同 華厳寺 懸空寺 木塔 岩山寺 五台山
 7月17日(月) 五台山台内 顕通寺 菩薩頂 塔院寺 万仏閣
 7月18日(火) 五台山台外 南禅寺 広済寺 仏光寺 尊勝寺
 7月19日(水) 五台山 羅[目候]寺 太原
 7月20日(木) 太原 休息 清和元
 7月21日(金) 太原 純陽宮 山西省博物館(文廟)
 7月22日(土) 太原 平遥 山西民居 県衙 城隍廟 市楼 清虚観 城壁
 7月23日(日) 平遥 双林寺 鎮国寺 喬家大院 太原
 7月24日(月) 太原 晋祠 天龍山石窟
 7月25日(火) 太原 北京




7月24日(金)  太原 晋祠

いよいよ今度の旅行も最後の日になってきました。明日は北京への移動日です。 今日は太原にきたら必ずお詣りする所という晋祠など、太原近郊、西南を見てまわります。

晋祠
晋祠母殿龍 晋祠は、駅前の公共汽車の乗り場から晋祠行きの308路のバスで40分ほどかかります。途中の道は工場群を通り、砂埃とまざり空気がたいへん悪いです。
終点に着くとそこは晋祠公園、有料ですが今までの道とはうってかわって新鮮な緑に囲まれてよく整備された道をとおり晋祠に入ります。ちょうどネムの木の花が、夏の日にはえ満開でした。
晋祠は、周の武王の次男、唐淑虞を祀るために、北魏に創建されたそうです。有名な聖母殿は、唐淑虞の母である邑姜(ゆうきょう)を祀るため、北宋時代の天聖年間(1023-32)に建てられました。
聖母殿に行くまでに参拝する道のり、とくに緑あるゆったりした空間のとり方は、なぜか日本の神社を歩くような気分にさせるのでした。今まで見てきた寺院群の閉じられ厳しく人工的な空間に比べ、自然をとりこみずっと開放的です。
水鏡台をへ、金人台で宋代鋳造の4鉄人に対面し、対越坊、献殿をすぎ十字橋の「魚沼飛梁」を渡ると聖母殿です。
晋祠侍女 晋祠聖母 晋祠侍女 聖母殿には、34ある侍女像はじめ宋時代の41の塑像があり、宋時代の写実のようすを伝えるものとして独特な雰囲気をもっています。
ヨーロッパの中世後期の彫刻にも似る、この雰囲気は何でしょうか?
この時代の表現者は、自然の中の物や人それぞれの違いを見分けられる視点をもちながら、再び宗教の共同生の中に隠れていってしまいます。とりわけ人を見つめる時、彫刻の中に人の個性をさがそうとしても見つからないのです。もちろん個性の限りない差異の中にとらわれていてもおもしろいわけはなく、また宗教の共同生のパターンや土着性の中に埋没してしまってもつまらないのです。個性と共同性のバランスの間で、「写実的」に表現された人の内側をのぞくと暗い空洞がぽっかり空いているような、その固まった姿が独特な雰囲気を生んでいます。
中国では、宋という時代、聖母信仰という比較的自由な図像が許される宗教の場だったからこそ、このような彫刻が生まれたのでしょう。

暗く広い壁面の一部には、いたみがはげしいため朦朧としてしかわからない壁画が遺っています。聖母を礼拝する諸神の一行を描くように思え、わずかにわかる顔立はやさしく気品があるように見えました。あるいは創建時の壁画でしょうか。

晋祠は広く美しい緑にかこまれ、まだまだ見どころがありのんびりしたい場所ですが、今日もっとも行きたい天龍山石窟のために門をでました。






 7月14日(金) 北京 大同
 15日(土) 大同 雲崗石窟
 16日(日) 大同 華厳寺 懸空寺 木塔 岩山寺 五台山
 17日(月) 五台山台内の諸寺
 18日(火) 五台山台外の諸寺
 19日(水) 五台山 太原
 20日(木) 太原 休息
 21日(金) 太原 山西省博物館
 22日(土) 太原 平遥 山西民居 県衙 城隍廟 市楼 清虚観 城壁
 23日(日) 平遥 双林寺 鎮国寺 喬家大院 太原
 24日(月) 太原 晋祠 NEXT→天龍山石窟
 25日(火) 太原 北京




  北京信息   2000.8.13写 2000.8.23更新

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