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 北京信息

 山西省古美術旅行(北部)



 7月14日(金) 北京 大同
 7月15日(土) 大同 雲崗石窟
 7月16日(日) 大同 華厳寺 懸空寺 木塔 岩山寺 五台山
 7月17日(月) 五台山台内 顕通寺 菩薩頂 塔院寺 万仏閣
 7月18日(火) 五台山台外 南禅寺 仏光寺 広済寺 尊勝寺
 7月19日(水) 五台山 羅[目候]寺 太原
 7月20日(木) 太原 休息 清和元
 7月21日(金) 太原 純陽宮 山西省博物館(文廟)
 7月22日(土) 太原 平遥 山西民居 県衙 城隍廟 市楼 清虚観 城壁
 7月23日(日) 平遥 双林寺 鎮国寺 喬家大院 太原
 7月24日(月) 太原 晋祠 天龍山石窟
 7月25日(火) 太原 北京




7月15日(土)  大同 雲崗石窟

最も古く造られた曇曜(どんよう)五窟から順に見ていきました。

【第1期】「曇曜五窟」
     文成帝和平初年460から5年間
     高僧曇曜の指揮による造窟
     円形の大窟、草盧式の窟頂
     寛い肩幅、短い足の身体
     円い顔、深い眼、高い鼻の顔立(インド的)
     通肩式(両肩に衣をまわす)または
     担右肩式(左肩に衣をかける)の袈裟
     過去・現在・未来の三世仏が主
雲崗石窟第16窟

第16窟 
曇曜五窟では例外の褒衣博帯式(中国式の「僧祇支(そうぎし)」という下着をつけ、腰に裙(くん)をまき、「大衣(だいえ)」で全体をおおう)の服装
うんあるある。

雲崗石窟第17窟 雲崗石窟第17窟

第17窟
たいていの窟は柵に隔てられ近よってみることができません。窟内の広い空間の左右はるか遠くに、仏が岩の縞模様から茫然として現れます。

雲崗石窟第18窟 雲崗石窟第18窟観音十大弟子

第18窟 千仏袈裟の仏 
薄い衣の本尊15.5m(インド的) きつい表情

右後壁には十大弟子、美しい菩薩の頭部が浮かびます。


雲崗石窟第19窟 雲崗石窟第19窟

第19窟
本尊は接近しすぎて全体像がつかめません。

雲崗石窟第20窟 雲崗石窟第20窟

第20窟 露天大仏 
結跏趺坐し手は禅定印を結ぶ本尊13.7m
明解な彫の衣紋(インド的)
大仏は思ったよりも大きくなかった。
前の広場で長い時をすごしました。

エキゾチックな飛天


【第2期】[冫馬]太后、孝文帝の30年間(465〜494)の造窟
     仏殿窟、塔廟窟
     (斗拱や楼閣式塔など中国の木造建築を模倣する)
     曇曜五窟に比べ適度な比例の身体
     やや縦長、平面的な顔立、温和な表情(中国的)
     褒衣博帯式の服装
     多様な種類の造像

雲崗石窟第10窟

第10窟 “五華洞”の一つ
五華洞の装飾はあまりに繁雑です。第1期の曇曜五窟のシンプルさとは対照的です。繁雑さゆえに印象をつかみそこねています。
門上部の装飾(下段:蓮華・忍冬紋の房の間に化生童子や鳥獣  上段:2龍が交差する須弥山、その左に日月をもつ阿修羅天・右に鳩摩羅天)
窟前に八角柱4本 窟内は前後室の造り 前室西壁・北壁に「[目炎]子本生」のレリーフ

雲崗石窟第10窟 雲崗石窟第10窟 雲崗石窟第10窟
雲崗石窟第9窟

第 9窟 “五華洞”の一つ
第10窟と双窟(同時期に統一した構想で開窟)
八角柱は第 9窟と第10窟の入口をかねています。

雲崗石窟第9窟 雲崗石窟第9窟 雲崗石窟第9窟
雲崗石窟第8窟

第 8窟 
孝文帝初期 前後室 
前室入口左右に金翅鳥にのる鳩摩羅天・白牛にのる摩醯首羅天 
後室には上龕三世仏、下龕釈迦・多宝の対坐 釈迦坐像 壁面には本生譚などのレリーフ 窟頂に蓮花、8身の飛天

雲崗石窟第7窟

第 7窟 
第 8窟と双窟

雲崗石窟第6窟

第 6窟 雲崗第一の偉観 
窟内は大きな空間に彫刻であふれます。
中心塔柱高さ15m

雲崗石窟第6窟 雲崗石窟第6窟 雲崗石窟第6窟 雲崗石窟第6窟

上層南壁龕から帷帳が垂れる 龕柱は楼閣式九重の方形塔 褒衣博帯式の立仏高さ4.74m舟形火炎光背 塔中傍に左右2脇侍菩薩

雲崗石窟第6窟 雲崗石窟第6窟 雲崗石窟第6窟 雲崗石窟第6窟
雲崗石窟第6窟 雲崗石窟第6窟 雲崗石窟第6窟

中心塔柱下部および窟4面の壁上に帯状に釈迦本生のレリーフ
本生譚のレリーフを柱から壁面へとおううちに、石の空間に身体が冷えてきました。

雲崗石窟第5窟 雲崗石窟第5窟

第 5窟 雲崗石窟で最大の仏 
第 6窟と双窟 窟前に五間四層の木造楼閣(清1651年重建) 本尊釈迦坐像は高さ17m 拱門左右に釈迦・多宝の2仏が菩提樹の下に対座

雲崗石窟第5窟 雲崗石窟第5窟 雲崗石窟第6窟 雲崗石窟第6窟
雲崗石窟第3窟

第 3窟 雲崗石窟で最大の窟 
窟内高さ25 考文帝の太和年間に開窟を始めるが大塔廟窟は未完成
前室2層 上層左右に塔 中部方形窟の本尊弥勒菩薩
後室中部塔柱に初唐の豊満な西方三聖(阿弥陀仏・観世音菩薩・大勢至菩薩)
窟前の岩壁上に12個の2mにおよぶ長方形の梁孔、空前の規模の木造建築があった

雲崗石窟第3窟 雲崗石窟第3窟 雲崗石窟第3窟

宏大な空間の中に、未完ゆえに生の製作過程の時間がむきだしになっている。なにか痛々しさもともなう不思議な体験。

雲崗石窟第2窟

第 2窟 中央に方形柱 各層4面に龕 塔頂に須弥山 正壁主像釈迦坐像

雲崗石窟第1窟

第 1窟 
第 2窟と双窟 正壁主像弥勒菩薩
最も東にあります。 ここを見る頃はすでに夕方に近くいそぎ足になります。

雲崗石窟第13窟

第13窟 “五華洞”の一つ
本尊13mの交脚弥勒仏 右手を小力士が支える (足に黒石、文成帝の黒子を模す「令如帝身」の表れ) 東壁下層供養天 窟頂2龍交叉、雲紋、飛天など

雲崗石窟第12窟

第12窟 音楽窟 “五華洞”の一つ
前室北壁の舞踊 上層の伎楽天 窟頂の5体の夜叉伎楽
後補の極彩色のためか印象は混乱します。

雲崗石窟第13窟

第11窟 “五華洞”の一つ
民間造像窟 中央塔柱 四面龕 中央龕の脇侍菩薩は遼代の補作? 西龕7立仏 東壁上に雲崗現存最初期、太和七年(483)の造像記「邑義信士女等五十四人」などの文字336字
はるか上部に拓本をとった黒い造像記がわかりました。



【第3期】太和十八年494洛陽遷都以降、30年間(494〜524)
     下層官吏らによる造窟
     三壁三龕式、重龕行列式の方形窟 窟門に豊かなレリーフ
     なで肩、長い首の身体
     痩せ気味の顔立
     褒衣博帯式の服装
     窟頂の飛天など典雅な造形
雲崗石窟第14窟

第21窟
以上、東西の小窟
西の小窟を一つ一つ見ていきました。

雲崗石窟第14窟 雲崗石窟第25窟

第15窟 小窟
第14窟 小窟
第 4窟 小窟



雲崗石窟の本
長廣敏雄『大同石佛芸術論』





 7月14日(金) 北京 大同
 15日(土) 大同 雲崗石窟
 16日(日) NEXT→大同 華厳寺 懸空寺 木塔 岩山寺 五台山
 17日(月) 五台山台内の諸寺
 18日(火) 五台山台外の諸寺
 19日(水) 五台山 太原
 20日(木) 太原 休息
 21日(金) 太原 山西省博物館
 22日(土) 太原 平遥
 23日(日) 平遥 太原
 24日(月) 太原 天龍山石窟
 25日(火) 太原 北京




  北京信息   2000.8.2更新

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