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 中国絵画史ノート 明時代1 浙派 浙江の職業画家

明 1368-1644という時代
朱元璋(1328-98)による統一 参考:南薫殿の明太祖怪異肖像
漢民族の統一王朝┐
都市商業の発達 ┘矛盾→近世的性格┌都市型文人(売画) 粋 詩書画一体
                 └商人のバイタリティ 俗 平明さ
漢の伝統の百科全書的総整理…永楽大典 絵画:筆墨(線描,皴法)の整理,抽象化
区分 年号 職業画家(行家)   文人画家(利家)  
前期 興隆期 洪武1368-98
建文1399-1402
永楽1403-24
洪煕1425
宣徳1426-35
正統1436-49
景泰1450-56
画院画家(宮廷画家)
周位(人物画、南京宮廷で死罪)
永楽 辺文進の花鳥 郭純(仿盛懋)
浙派 南宋院体画の整理 戴進
宣徳 謝環李在商喜石鋭周文靖
 
趙原(仿董源、南京宮廷で死罪)
徐賁、



夏昶の墨竹
 
中期 英宗重祚

興盛期


天順1457-64
成化1465-87

弘治1488-1505

正徳1506-21

嘉靖1522-
成化弘治 花鳥 林良呂紀
     人物山水 呉偉
正徳 王諤朱端の山水、竹石


後期浙派(在野) 狂態邪学派
張路汪肇蒋嵩鐘礼鄭顛仙陳子和 筆墨の粗放化、抽象化 L字構図  

呉派 蘇州の文人画
明四大家 元末四大家の整理
沈周     (周臣 行家)
文徴明唐寅、(仇英 行家)
花鳥画 陳淳
 
後期 停滞期
1583衰亡期 ヌルハチ
嘉靖1522-66
隆慶1567-72
万歴1573-1619
泰昌1620
天啓1621-27
崇禎1628-44



奇想の山水人物画家 呉彬(南京画院)

武林派 藍瑛(杭州)
 
謝時臣(蘇州)

花卉雑画 徐渭(紹興)
明末の変 松江派 董其昌
奇想の画家
 人物画 陳洪綬丁雲鵬崔子忠       
 
   区分欄は、宮崎一定「中国史」(『宮崎一定全集1』1978初出 岩波書店 1993年刊)を参照


【明前期】
文人画家たち

王履 1332-?
字安道、号畸叟、抱独老人など、江蘇昆山人 元末明初の医学家、詩文書画に工み
山水は馬、夏の院体画に倣う 写生に長ずる
1384年洪武十六年《華山図冊》40頁 北京故宮博物院29,上海博物館11に分蔵
 前年7月華山に登った印象 実景山水の先駆 小斧劈皴
 序跋“吾師心,心師目,目師華山”、毎幅に題詩 系統的な芸術理論
:医学書『遡集』21篇、『医韵統』100卷

おうふつ 1362-1416
字孟端、号友石、九龍山人、鰲叟、江蘇無錫人
洪武時の生員、曹累により戌山西に十余年、永楽初、文渊閣に入り中書舍人となる
山水は王蒙、倪瓚を師 洒脱な墨竹は当時第一とされた 書法、詩を善くする
詩文:『友石山房集』
1401年《秋林隠居図》 東京国立博物館 倪瓚に倣う
1401年《墨竹図》 北京故宮博物院 
1404年5月《爲密斎山水図巻》 大阪市立美術館 送別図 コピー?
1404年8月《山亭文会図》 台北故宮博物院 雅集図 王様の確立
《鳳城餞詠図》 台北故宮博物院 御医趙友同の爲 送別雅集図 王
1410年《万竹溪秋図巻》 26.1×847cm フリーア美術館 
1410年8月《湖山書屋図巻》 27.5×821cm 遼寧省博物館 精品 文徴明等跋
1412年頃《瀟湘秋意図巻》 北京故宮博物院 陳叔起との合作
1414年《北京八景図巻》 中国国家博物館

夏昶 1388-1470
字仲昭、号玉峰、自在居士、江蘇昆山人
永楽十三年1415年進士、翰林庶吉士となる
永楽二十年1422年中書舍人
永楽二十一年1423年楊榮(1371〜1440)の薦により文淵閣に入る
宣徳五年1430年頃朱姓を夏姓に変える
宣徳六年1431年吏部考功主事に転ずる
正統十三年1448年瑞州知府に昇る
1452年太常少卿に改める
天順元年1457年七十歲太常卿に昇り、致仕し鄉に還る
晚年は杜瓊(1396〜1474)、劉玨(1410〜1472)、沈周(1427〜1509)、呉ェ(1435〜1504)らと交友、1470年故郷にて卒
[作品]
墨竹は王に師事、筆法は勁く、当時“夏卿一個竹,西凉十錠金”と呼ばれた
永楽二十四年1422年《上林春雨図卷》 北京故宫博物院 朱昶款
福州時代1448-51《朝陽舞鳳図》 133.5×78.5 根津美術館 古渡
1449年《湘江風雨図卷》 北京故宮博物院
天順元年1457年《湘江過雨図巻》 26×407 保利2011秋拍売 銭仁夫等跋
1460年頃《春雨図巻》 51.8×951.5 フィラデルフィア美術館
1461年《鳳池春意図》 広東省美術館 
1464年《湘江過雨図巻》 29.8×1040.8 フリーア美術館
 原巻を二つに切断、前半段に「天順甲申作」加款、張弼狂草を卷前、徐有貞五言詩を巻尾に加えたものがフリーア本。後半段が銭仁夫跋本という説(王健)
《湘江春雨図巻》 45.5×900 ベルリン東アジア美術館
 前三紙各約132.6、後四紙各約125.5(夏昶の学生屈礿の模?)
 任道遜(1422〜1503)引首、夏昶、倪謙(1415〜1479)、章綸(1413〜1483)、王(15C中)、葉冕(15C晩)、邵松年(1848〜1924)跋

画院画家たち

辺文進 15C
字景昭、福建沙県人、本貫は瀧西(甘粛) 永楽宣徳初の宮廷画家、武英殿待詔
五代黄荃・北宋南宋の院体画から鈎勒(輪郭)の強い花鳥画を復古、装飾化
子の辺楚祥、楚芳、楚善も花鳥画家
1426年宣徳元年70余歳で汚職に関わり平民に落とされる(明実録巻23)
1413年永楽十一年《三友百禽図》 台北故宮博物院 装飾化 「長安官舎」款
《栢鷹図》 橋本家 写生と装飾の適度の結合 「怡情動植」印
《双鶴図》 180×118cm 北京故宮博物院 院体画風「清華閣畫史邉景昭製」印
《双鶴図》 薮本家 片側垂直に梅竹、下方に斜めの土坡 静謐な院体画風
《雪梅双鶴図》 広東省博物館 院体花鳥画に倣い変形 薮本家との類似
「待詔 邊景昭寫雪梅雙鶴圖。」「怡情動植」印他
《春禽花木図》(花竹聚禽図) 上海博物館
「武英殿 待詔瀧西邊景昭寫。」「怡情動植」「邊氏景昭」「多識于草木鳥獣」印
《秋塘鶺鴒図》冊頁 上海博物館
《竹鶴双清図》墨竹の王と合作 北京故宮博物院 文人画風 「怡情動植」印

孫隆(一作龍) 15C
字廷振、号都痴、毘陵人 明初開国忠愍侯孫興祖の後裔、宣徳の翰林待詔
常州(毘陵)の伝統である没骨(輪郭線のない描方)の花鳥魚虫を得意にする
《芙蓉游鵝図》 北京故宮博物院  「孫隆図書」「金門侍御」「開国忠愍侯孫」印
《雪禽梅竹図》 北京故宮博物院
《花鳥草虫冊》12頁 23.9×21.5cm 上海博物館 各頁姚綬対題 色の没骨
  蓼花蟷螂黄菊紫芥黄葉麻雀「孫隆図書」印、秋草蝗蟲「崆峒遺跡」印
《写生画冊》 23.5×22cm 台北故宮博物院 石榴 色の没骨
《花鳥草虫卷》 23.3×531cm 吉林省博物館 「孫隆図書」「痴」「開国忠愍侯孫」印参考:《初秋図巻》 26.7×120cm デトロイト美術館 草虫図の精品


劉俊 15C
字廷偉 宣徳の宮廷画家、官は“錦衣都指揮” 院体の山水、人物に巧み
《陳楠浮浪図》 相国寺
○《東方朔図》 日本個人蔵 劉俊款
《劉海戯蟾図》 中国美術館
《三仙戯蟾図》 ボストン美術館
《嬰戯図》 日本個人蔵
《雪夜訪普図》 北京故宮博物院 趙匡胤が雪夜に趙普を訪れる故事
《人物山水図》 西大寺
《愛蓮吹笛図》 絹墨著 250.7x122.9cm ミネアポリス美術館 大中堂用巨幅

周文靖 15C
福建莆田人、宣徳1426−1435間陰陽訓術で仁智殿に仕え大臾県典史を授かる
官は鴻臚序班 山水は呉鎮、夏圭に学ぶ 人物、花鳥、楼閣、牛馬も巧み
子の周鼎も画院画家として活躍
《古木寒鴉図》 上海博物館 「日近清光」印 画院での作
《雪夜訪戴図》 台北故宮博物院 東晋の王徽之が雪の月夜に戴逵を訪れる故事
1463年《周茂叔愛蓮図》 所在不明 「直仁智殿三山周文靖」款 院体画風 墨調美

石鋭 15C
宣徳正統の宮廷画家、宣徳仁智殿待詔 明代に細密な青緑山水画を復古
1430年代頃書画の収蔵で有名な雲南沐家(沐璘?)に、戴進と会う
飯牛・鋤田図》双幅 徳川美術館 「銭塘」「石以明氏」印はめ込み
  院体画の李迪風牧牛にィ戚飯牛・倪寛鋤田の故事
《朱買臣図》 絹著 67 3/8x25 1/2in. インディアナポリス美術館
 この3点は錦衣指揮以前の故事画連作の一部?
《山店春晴図巻》 北京故宮博物院 「銭塘」「石以明氏」印
 探花図巻より世俗化傾向 明初張紳、李祁、朱芾跋、豊坊引首篆書
◎《楼閣山水図》 小熊家蔵
1469年成化五年頃◎《探花図巻》 橋本氏蔵 最晩年の作
 「石鋭」「銭塘世家」「錦衣鎮撫」印
 顧余慶のため、呉寛の序、12人の唱和詩

商喜 15C中期1450年
字惟吉(一作恆吉)、濮陽(河南)人 宣徳正統の宮廷画家、官は錦衣衞指揮
山水、人物、花卉、走獸に長じ、特に華麗な故事人物に秀でる 元代道釈人物画の影響
1441年正統六年《歳朝図》 北京故宮博物院
《明宣宗行楽図》 北京故宮博物院 玄宗朱瞻基の狩猟姿 肖像山水
 参考:佚名宮廷画家《朱瞻基行楽図》 北京故宮博物院
《関羽擒將図》 200.0×237.0cm 北京故宮博物院 水墨に強烈な色彩
《四仙拱寿図》 台北故宮博物院 無款
《老子出関図》 MOA美術館 無款 程敏政1445-跋

謝環 1377-1452
謝環自像 字庭循、永嘉(浙江温州)人 学問の嗜み 永楽宣徳の宮廷画家、官は錦衣衞千戸 宣宗に寵愛される
画は初め両浙陳叔起(陳師夔の高弟)を師とし、山水、墨竹に巧み
1437年《杏園雅集図巻》 37×401cm 鎮江市博物館 謝環自像(図)
 楊栄1371-1440の杏園での雅集の様 朱衣の人物が楊栄
 10人:謝環→周述-李時勉-陳循→屏:王直-楊士奇-楊栄→杏:銭習礼-楊溥-王英 他に童子9人、召使5人、計24人
 楊士奇《杏園雅集序》、各家題詩、楊栄《杏園雅後序》、翁方綱跋
《杏園雅集図巻》 36.7×240.7cm メトロポリタン美術館 謝環周辺の画家?
 鎮江市博本のダイジェスト 楊士奇1365-1444のために 女性2人(男装?)
 楊溥1372-1446、王英1376-1450、王直1379-1462 翁方綱跋、翁万戈旧蔵本
《雲山図》 江蘇淮安市楚州博物館 北京鄭均の為に1446年前に描く 米法山水
《香山九老図巻》 絹本着彩 29.8×148.2cm クリーブランド美術館

浙派系の画院画家

戴進 1387-1462
字文進、号静庵、銭塘(杭州)人 “浙派”の領袖として多大な影響力
初め銀工という 永楽末、父戴景祥と共に南京行、画家としては成功せず
宣徳時北京行、太監福の推薦により四季山水を皇帝に進上、先輩謝環に妬まれ讒言にあい皇帝の怒りをかう
(讒言の内容:秋景の屈原投江、冬景の七賢過関が乱世を寓したという。別の逸話では《秋江独釣図》の漁師の紅衣は官服であり礼を失うという)
門弟夏芷の機転で杭州へ、さらに雲南沐家へ難を避ける
数年で謝環没 楊士奇、王翺の助力により杭州に帰る(郎瑛1487-?『七修類稿』巻6)
晩年北京行、画院に入る? 死後、西湖洪春橋畔に葬られたという
継承者:子の戴泉、婿の王世祥、弟子の方銭、夏芷、夏葵など
[作品]
山水、人物、花鳥に長じる 山水画は、主に李劉馬夏の南宋四家の院体画に倣うが、郭煕、荊浩、関仝、范寛など北宋、元文人画の様式を吸収
人物画は道釈、歴史故事、隱士漁樵(例えば漁楽図)に題材
伝世作品は多いが多様で折衷的なスタイルをもち、筆墨の強調と形態のデフォルメ、それに伴う抽象化傾向がみられる 後期浙派は戴進の特徴をさらに突進めていった
早期:
1407年《帰田祝寿図卷》 紙著 40×50.3cm 北京故宮博物院 南京書家端木智に
《禅宗六代祖師卷》 37×220cm 遼寧省博物館 祝允明、唐寅跋 岩に戦筆
中期:
1438年款《山水図》 147.5×73.8cm 日本個人蔵 院体風 中景描写 春遊晩帰
《春遊晩帰図》 167.9×83.1cm 台北故宮博物院 無款 院体風 北京宮廷の作?
1440年款《夏山避暑図》 紙墨 137.5×78cm 東京個人蔵 院体夏珪風
1441年頃《帰舟図卷》 36.5×76.5cm 蘇州博物館 元代盛懋風
《松岩蕭寺図》 226.7×51.3cm 大阪市立美術館 「金台官舎」款
《聴雨図》 122×50.5cm 楊鎮榮蔵 中年の作 元代盛懋風
《金台送別図卷》 27.8×90.7cm 上海博物館 衛靖に 院体風 簡逸な筆墨
《墨松図卷》 紙墨 29×294.4cm 北京故宮博物院 北京寓居「竹雲書房」印
《春冬山水図》2幅 144.7×79.1cm 菊屋家住宅保存会 謹厳「竹雲書房」印
(中期推定作:)
《溪橋策蹇図》 137.5×63.1cm 台北故宮博物院 静庵款 元文人画+院体画風
《山水図》 139×79.8cm 台北故宮博物院 李郭派に倣う
《雪山行旅図》 140.5×77.5cm 北京故宮博物院 李郭派 金字塔構図
《洞天問答図》 210.5×83cm 北京故宮博物院 院体風 人物琴弦描
《雪巖桟道図》 175×89cm 天津博物館 元代李郭派風 明魏広微題詩
《溪堂詩思図》 194×104cm 遼寧省博物館 秋景
《松亭讌寿図》 184×108cm 桑名家旧蔵 戴進様(松、主山の形,白黒対比,戦筆)
《羅漢図》 台北故宮博物院 中年の作 面部細筆衣紋粗筆、山石に大斧劈皴
晩期:
1446年《携琴訪友図卷》 25.4× ベルリン博物館 院体風 筆墨の簡逸調和
1449年63歳《春山積翠図》 上海博物館 文序至契に 院体風 晩年の筆墨
1452年款《雪景山水図》 台北故宮博物院 戴進ではない浙派画人?
1460年《南屏雅集図巻》 33×161cm 北京故宮博物院 楊維驍フ主題 集大成
《葵石蛺蝶図》 紙著 115×36.6cm 北京故宮博物院 花卉画
《耋耄図》 紙著 所在不明 花卉画
(晩期推定作:)
《仿燕文貴山水図》 紙墨 142.5×72.4cm 上海博物館 雲山墨戯の趣
《長松五鹿図》 142.5×72.4cm 台北故宮博物院 晩年粗筆の代表作 文徴明題
《漁楽図巻》 46×740cm フリア美術館 濃墨の線や点
《三鷺図冊》 26.8×25.5cm 北京故宮博物院
《関山行旅図》 61.8×29.7cm 北京故宮博物院
《鐘馗夜游図》 189.7×120.2cm 北京故宮博物院 晩年の豪放な筆墨
 (3分期は單国強「戴進作品自序考」を参考)
《三顧草廬図》 172.2×107cm 北京故宮博物院

李在 15C
字以政、福建莆田人 昆明滞在後、宣コ年間1426-35宮廷の仁智殿に入る
1440年代頃「荒」「狂」の作風
草草如荒意不荒、雲根老樹帯疎篁、摩挲二十年前墨、還有誰如李在狂。」(岳正(1418-72)『類博稿』巻二 李在画為葉与中(葉盛1420-74)作)
1468年頃雪舟が学ぶ
[作品]
1424年永楽二十二《帰去来図巻》馬軾・夏芷合作 遼寧省博物館
 (一説に1484年成化二十年作)
 第4段「雲無心以出岫」 「李在」款「李在図書」印 南宋院体風
 第5段「撫孤松而盤桓」 「甲辰秋莆田李在写撫松盤桓図」款「李在図書」印
 第9段「臨清流而賦詩」 「李在」款「李在図書」印
《萱草花図》 江蘇淮安市楚州博物館 王鎮(1424-95)墓出土
自題:簾卷桾莱ト日長,花含鵠嘴近高堂。筵前介壽双親楽,顔色輝輝映彩裳。
 「莆田李在爲鄭儀寫」款、「自家意思」、「海天秋月」印
1446年頃《米氏雲山図》 江蘇淮安市楚州博物館 王鎮(1424-95)墓出土 米法山水
 「莆田李在爲景容契家寫」款「妙在化機之先」朱文印 北京鄭均1446前後
《崇山水榭図》 香港北山堂 「李在」款、一印不明
《圯上授書図》 台北故宮博物院 「李在」款、「自家意思」印
 『集古名絵』冊から前漢開国の名臣張良が兵書を得た故事
《琴高乗鯉図》 上海博物館 「李在」款「金門画史之章」印
《山村図》135×76 北京故宮博物院 「李在」款「金門画史之章」印 李郭派風
 参考:《闊渚晴峰図》 北京故宮博物院 郭煕偽款 李郭派風
    《山荘高逸図》 台北故宮博物院 無款 李郭派風
《山水図》冊頁 ボストン美術館 「李在」款、「妙在化機之先」?白文長方印
◎《山水図》 東京国立博物館 元代李郭派のスタイルを「荒」「狂」に
  「李在」款「莆田李在」白文印、「墨華香潤」白文印、一印不明
《雪景山水図》 京都小川家 「李在」款、一朱文印 「荒」「狂」

馬軾 15C
字敬瞻,嘉定(江蘇省)人
1449年正統一四年天文生として広東征伐に従軍、謀画占験を用い漏刻博士(天文博士)となる
1457年天順元年7月14日流罪となり北京から出城する岳正1418-72を欽天監漏刻博士馬軾一人が詩一首を作り見送る
1424年永楽二十二年(一説に1484年)《帰去来辞図卷》第2「問徴夫以前路」,3,6段 李在、夏芷と合装 院体風
《春塢村居図》 台北故宮博物院 郭煕に戴進風 桃花源の主題
  「練川馬軾」款、「練川馬軾」「敬瞻」「筆補造化」印
《山水図》 泉屋博古館 「馬軾」款 元代李郭風

夏芷 15C
銭塘(杭州)人 戴進の弟子
宣徳年間戴進とともに上京、謝環に陥れられた戴進とともに杭州に逃げ帰る
不幸にして早く卒す(韓昂『図絵宝鑑』巻六)
1424年永楽二十二年(一説に1484年)《帰去来辞図卷》第7段「或棹孤舟」 李在、馬軾と合装
《古木竹石図》 1982年江蘇淮安明王鎮墓出土 「廷芳爲景容寫」款「銭塘夏芷」「廷芳」印 戴進を継承
《柳下舟遊図》冊頁 出光美術館 「夏芷」印
伝夏芷《霊陽十景図》冊 橋本氏蔵 王鎮墓出土「江城送別図」と似る

倪端 15C
字仲正、杭州人 宣徳?成化の宮廷画家(1436-1505頃活動、台北故宮《追索浙派展》解説) 山水、人物、花卉を善くす 南宋院体画馬遠に倣う
1459年英宗天順三年錦衣千戸
1480年成化十六年錦衣衛指揮同知(『憲宗実録』巻208)
《聘龐図》 163.8×92.4 北京故宮博物院
 三国時代荊州刺史劉表が隠士龐徳公を招く故事、「招隠納賢」隠賢の主題
 参考:佚名宮廷画家《徴聘図》 151.9×73.9 台北故宮博物院
《捕魚図》 台北故宮博物院 余白をとりやや抽象化傾向
 「倪端寫」款「日近清光」「半窗明月」「錦衣千戸之章」印

参考:明代宮廷画家の官職 武職 錦衣衛 
 錦衣衛指揮使(正三品)、指揮同知(従三品)
 錦衣衛指揮僉事(正四品)
 錦衣衛正千戸(正五品)、副千戸、衛鎮撫(従五品)
 錦衣衛百戸(正六品)、鎮撫、所鎮撫(従六品)


【明中期】
林良 一説に1426-1500後、1415-80
字以善、広東南海人、成化年間の宮廷画家 初め布政司奏役となり広東北京を往来、偽画を作っていた広東布政使陳金(在任1457-55)に認められる
顔宗(1393-1454 字学淵、官は兵部院外郎)に山水画を、何寅于(1420挙人)に人物画を学ぶ
北京にて天順1457-64中内廷供奉、官は工部営繕所丞、後に仁智殿に入り錦衣衞鎮撫、指揮
都御史何経(1454進士、1484北京に入る)との交友、詩百篇を唱和(黄佐1490-1566『広東通志』)
子の林郊は1494年武英殿錦衣衞鎮撫、父の風を伝える
[作品]
早期の写実的な着色花鳥画、特に後期の飛白を伴う草書のようなタッチと没骨の墨面を駆使した水墨写意花鳥画が文人の支持をえる
モチーフは鷹、雁、鵜、鶴、孔雀などの本性をとらえた水陸の鳥と、古木竹石・秋冬の溪渚・蘆荻水草など野逸の趣をすばやく豪快な筆で描写
日本にも多くの伝承作品がある
《山茶白羽図》 152.3×77.2cm 上海博物館 早期の作 工筆重彩
《禽鳥図巻》 絹着色 38×906cm 吉林省博物館 吉1-017△
 「林良」款「林良」印 160余の禽鳥 早期作、李永題
《雪景鷹雁図》 絹墨 299×180 北京故宮博物院 雌雄鷹、下に1落雁、1鵲
 「林良」款「以善図書」印 水墨写意の大作
《蘆雁図》 絹墨 138×69.8 北京故宮博物院 京1-1041△ 水面に2飛雁
 「林良」款「以善図書」印 水墨写意 成熟期の作
《孔雀図》 絹墨淡 155.3×78 北京故宮博物院 竹石上の雌雄孔雀、下に2雀
《雪景双雉図》 絹着色 131.5×57.9 北京故宮博物院 京1-1040△ 2雉
 「林良」款「以善図書」印 写意着彩 形態化傾向
《雉鳩図》 絹墨着 155×92.6 北京故宮博物院 竹石,雌雄雉,鵲,4鴝,2雀
 「林良」款「以善図書」印 写意着彩 形態化傾向
《灌木集禽図卷》 紙着色 34×1211.2cm 北京故宮博物院 京1-1039△
 「東廣林良」款「以善図書」印 黄元治、金廷対、徐歩雲、徐鳴珂跋
 70余鳥は形態化、晩年作あるいはコピー
伝林良《喬林百雀図巻》 絹墨 28.6cmx498.2 クリーブランド美術館
《秋鷹図》 136.8×74.8cm 台北故宮博物院
 「林良」款一印 率意粗荒の作
《画鷹図》 133.4×50.5cm 台北故宮博物院
 「林良」草書款「林良」方印
《松鶴図》 絹墨 153×83 京5-187△
《古木寒鴉図》 絹墨 141×90 京7-007△
《古木蒼鷹図》 紙墨 140×56 南京博物院 蘇20-002△
《蘆雀図》 絹着色 85×75 南京博物院 蘇20-003△
《秋坡集禽図》 絹着色 155.4×82.3 蘇24-0022△
《蘆雁図》 絹着色 135×78 津6-001△
《荷塘集禽図》 絹着色 152.7×65.5 津7-0057△
《松梅寒雀図》 絹着色 100×45 津7-0058△
《雁雀図》 絹墨 164.3×99.5 魯1-005△
《雪景蘆雁図》 絹着色 193×ll9 烟台市博物館 魯7-02△ X字構図
《双鷹図》 絹着色 129.4×75.9 浙江省博物館 浙1-013△
《竹石錦雉図》 絹墨 浙25-04△
《松鶴図》 絹着色 147.3×75 上海博物館 滬1-0319△
《蘆雁図》 絹墨 125.4×75 上海博物館 滬1-0320△
《竹禽図》 絹墨 164.1×81.6 上海博物館 滬1-0318△劉傅:疑、楊:一般
《花鳥四條》 絹墨 161.2×113.5  皖4-01△
《秋林聚禽図》 絹墨淡 152.5×77cm 広州美術館 粵2-006△ 清宮、容庚
《松鶴図》 絹着色 174×87.5cm 広東省博物館 粵1-0019△
 「林良」款「以善図書」印 写意水墨に鶴は工筆着彩
《双鷹図》 絹着色 166×100cm 広東省博物館 粵1-0022△
 「林良」款一印 晩年粗簡放縦な様式の代表作
《柳塘翠羽図》 絹着色 155.5×96 広東省博物館 粵1-0020△
《雪蘆寒禽図》 絹墨 147.5×79 広東省博物館 粵1-0021△
《喜鵲蘆雁図》 絹墨 134.5×75 粵6-01△
《双鷹図》 絹墨淡 149.1×83.2 メトロポリタン美術館 北山堂旧蔵 S7-55
《双鷹雪松図》 絹墨 174.2×99.8 サンフランシスコアジア美術館 A35-84
《双孔雀図》 絹墨 154x107 クリーブランド美術館
 「林良」款「以善図書」印 写意水墨
《鳳凰石竹図》 163.0×96.0cm 京都相国寺 「林良」款「以善図書」朱文方印(L款)
《蘆鵜図》 絹墨 135.7×74.4 東京国立博物館 水墨写意
《鵜図》 絹淡 136.0×74.5cm 水戸徳川旧蔵 水墨写意 容與の態 (L款)
《水鳬図》 146.0×63.0cm 「林良」款一印 王季遷旧蔵、HK佳士得2005秋

呂紀 15C 一説に1429-1505
字廷振、号楽愚、寧波人 院体系の工筆重彩画法において明代を代表する花鳥画家
同郷の袁忠徹(1376-1458 永楽帝と「小秀才」の交 1439帰郷)所蔵の名画を学ぶ
弘治年間仁智殿に供奉、武英殿待詔、1499年弘治十二年百戸から副千戸に昇進
1504年3月子呂泰に武職を譲ろうとするが楊一渶の反対にあう(『明考宗実録』巻209)
官は錦衣衛指揮同知、晩年考宗の寵愛を受け弘治末年には卒
従子呂高、呂棠、呂遠七、外甥葉双石、門弟胡鎮、蕭増、劉俊など影響は広汎
[作品]
工筆重彩系:初め辺文進を学び院体画を継承、形態と水墨と色彩の暈染(うんせん グラデーション)を洗練させた山水花鳥画 流派作も含め夥しい伝承作品がある
1499年弘治十二《竹園寿集図巻》 北京故宮博物院 画院にて呂文英と合作
1503年弘治十六《蕉岩鶴立図》 絹本 166.2×106cm 国家博物館
 「武英殿直錦衣指揮呂紀写。時弘治癸亥暮春六日也。」款A印 精品
《南極老人図》 217×114.2cm 北京故宮博物院 「呂紀拝手」款A印 寿人梅鹿
◎《四季花鳥図4幅 174.4×99.7cm 東京国立博物館
 (春)桃花、竹。2鴛鴦、2鳩、3頬白、1小鳥 8
 (夏)梔子、紅白立葵、宣草。2鴨、2黄鸝、2小鳥 6
 (秋)桂花、芙蓉、秋菊。2鵞鳥、2八哥、1白尾長、1鳥 6
 (冬)白梅、紅椿、竹、紅実。雌雄雉 2
 「錦衣指揮呂紀写」(春)「呂紀写」(夏秋冬)款、「明善図書」、A「四明呂廷振印」印
《桂菊山禽図》 192×107cm 北京故宮博物院 「呂紀」款A印
  吉祥のモチーフ:綬帯鳥(加官進爵、長寿)、八哥(人語を喋る吉祥鳥)、
   桂花(貴花)、秋菊(長寿、君子の節操) 平板な描写
《榴葵綬雉図》 200.8×105.5cm 北京故宮博物院 「呂紀」款A印
《杏花孔雀図》 203.4×110.6cm 台北故宮博物院 「呂紀」款A印
《秋渚水禽図》 177.2×107.3cm 台北故宮博物院 「呂紀」款A印
 水墨による月夜と大気の表現
《秋鷺芙蓉図》 192.6×111.9cm 台北故宮博物院 「呂紀」款A細無曲印
《牡丹錦鶏図》 184.3×100cm 中国美術館
《雪柳双鳧図》 166×100.2cm 上海博物館 「文華殿錦衣指揮呂紀寫」款A印
《寒香幽鳥図》 141×51.5cm 上海博物館 「呂紀」款A印
《梅竹山禽図》 183.1×97.8cm 浙江省博物館 「呂紀」款A印
《雪梅集禽図》 192×110cm 天津市芸術博物館
《獅頭鵝図》 191×104cm 遼寧省博物館 「呂紀」款A印 精品
《夏景花鳥図》 172×108cm 雲南省博物館 「呂紀」款A印
《双雉図》 191×117cm 泰州市博物館 無款
《花鳥図》 Berkeley Art Museum 「呂紀寫」款「日近清光」印 重層空間
《四喜図》 194×107.8cm 天津市芸術博物館 「呂紀」款A印 着色写意
水墨写意系:林良の影響 より柔らかい筆触と色彩感
《竹禽図》 北京故宮博物院 早期作 林良に近い
《殘荷鷹鷺図》 190×105.2cm 北京故宮博物院 「呂紀」款A印 早期
《鷹鵲図》 紙墨 120.7×61.5cm  「呂紀」款A印 晩年 2蜂
《寒雪山雉図》 紙墨 135.3×47.2cm 台北故宮博物院 「呂紀」款A長方印
《三鷥図》 177.8×107.5cm 中国国家博物館  「呂紀」款A印 3鵜
《月明宿雁図》 170×103.5cm 江西省㜈源県博物館  「呂紀」款A印 幽美
呂紀派
呂棠《花石鴛鴦図》 136.5×53.2cm 北京故宮博物院 粗筆着彩
鄭石《芙蓉白鷺図》 144.4×74.3cm 台北故宮博物院 錦衣百戸の宮廷画家
《荷渚睡鳧図》 絹墨淡 174.5×104.2cm 台北故宮博物院
《雪岸双鴻図》 台北故宮博物院 「呂紀」款A印 呂紀派の作
《早花野禽図》 台北故宮博物院 A印 沈周題詩 呂紀派
《柳陰白鷺図》 219.5×107cm 山東省博物館 「錦衣呂紀」款
《秋山鷺鴨図》メトロポリタン美術館

呂文英 15C後-16C初
處州(浙江省麗水)人,弘治年間1488-1505に宮廷画家として活躍
精緻で華麗な画風 明代中期宮廷人物画を代表する画家
1499年弘治十二《竹園寿集図巻》 北京故宮博物院 画院にて呂文英と合作
○《売貨郎図》 絹本着色 131.1×79.0 東京国立博物館
 「直武英殿錦衣指揮呂文英寫」款、「紫衰供事」印
《売貨郎図》春夏2幅 絹本着色 各161.8×92.5 東京藝術大学美術館
 「欽賜呂文英図書」朱文長方印
《売貨郎図》秋2幅 絹本着色 各163.2×91.5 根津美術館
 参考:伝蘇漢臣《売貨郎図》 絹本着色 159.2×97 台北故宮博物院
《江村風雨図》 絹本墨画着色 170.5×103.4cm クリーブランド美術館
 「呂文英」款、「日近清光」白文印
参考:趙晶「明代宮廷画家呂文英生卒年新探」《美術学報》2012年第02期

呉偉 1459-1508
字士英、次翁、魯夫 号小仙 江夏(湖北省武昌)人 ボヘミアン型画家の典型
士人の父剛翁は練炭術に凝り破産して死 少年時貧しく17歳で南京に流落
20代成国公をパトロンに画家として活躍 成化朝の北京宮廷に入り仁智殿待詔
弘治初め錦衣百戸、錦衣鎮撫を授り「画状元」印を賜る
祖先の供養のため一時武昌に帰るが、数ヶ月で呼戻され北京西街に屋敷を賜る
2年を経ずして南京に帰り秦淮(江南随一の歓楽街)東涯に居
1508年正徳三年五月、再び宮廷に召されるが途中深酒のため南京で卒
[作品]
山水、人物に長じる 早期の稠密な白描人物は李公麟、粗筆は梁楷に学ぶ
馬夏、浙派戴進の影響 粗細2体の奔放な風格 手、蓮房で描くパフォーマンス
大画面の障屏画を得意にし、南京霊谷寺など寺観壁画も手がける
江夏派”の領袖として、弘治正徳以降の狂態邪学派に大きな影響を与える
1484年成化二十《鉄笛図巻》 上海博物館 楊維髑怐H 早期人物の代表作
1496年弘治九《仿李公麟洗兵図巻》 紙墨 広東省博物館 黄琳に 後半のみ遺る
《寒山積雪図》 242.6×156.4cm 台北故宮博物院 粗筆山水 L字構図 童子携琴
《漁楽図》 270×174.4cm 北京故宮博物院 巨幅山水
《灞橋風雪図》 北京故宮博物院 後期浙派に典型的なL字構図
《秋林帰荘図》 北京故宮博物院 後期浙派に典型的なL字構図
《柳陰読書図》 故宮博物院 中年時の粗筆人物山水画 笹の水平点描
《柳岸簡歩図》 天津博物館 粗筆人物山水画 笹の水平点描
《山水図》 フリア美術館 自題
《問津図巻》 北京故宮博物院 
《漁楽図巻》 景元斎 →比較:戴進、沈周、李著の漁楽図巻
《二仙図》 紙墨 上海美術館 祖筆人物の典型 
《仕女図》 紙墨 インディアナポリス美術館 白描人物 行草書のような筆線美
1503年弘治十六《歌舞図》 北京故宮博物院 青楼の白描人物 祝允明、唐寅題詩
《武陵春図巻》 北京故宮博物院 青楼妓女を描く白描人物 徐霖書《武陵春伝》
1505年弘治十八正月《詞林雅集図卷》 上海博物館 龍知仁送別雅会の白描人物
 引首に徐霖の篆書、巻後の跋に李夢要、王陽明など22人の題詩
1505年弘治十八年九月《長江万里図卷》 27.8×976.2cm 北京故宮博物院
 粗筆写意の長大な画巻
《許由巣父図》 徳川美術館 「湖湘呉小僊寫」款「魯夫」印
《江岸独釣図》 所在不明 荒々しい筆法自体の独立

王諤 1461頃-1541以降ほどなく卒
字廷直、浙江奉化の望族。地方画家の蕭鳳から画を学ぶ
弘治正徳嘉靖初の宮廷画家、官は錦衣衛千戸。山水、界畫に工み
南宋馬遠をより粗放化した筆墨により孝宗朱瞻基に“今馬遠”といわれる
「八十餘にして筆力益々勁」(『奉化縣志』)
著に『画学啓蒙』(散佚)があり「五達・三用・二妙・六求」をいう(張邦奇「画学啓蒙序」『紆玉楼集』卷一
早期:画院初期
《蹈雪尋梅図》 106.7×61.8cm 北京故宮博物院 孝宗1487-1505朝の作
 「臣王諤寫」隠し落款「御府図絵之記」、「弘治」円印「廣運之寶」朱文印
《江閣遠眺図》 143.2×229cm 北京故宮博物院 「弘治」「廣運之寶」印
《溪橋訪友図》 台北故宮博物院 「四明王諤寫」落款 童子携琴
1510年正徳五《送源永春還國詩畫巻》 紙本 29.8×706.5cm 京都国立博物館
 「東原」款「四明王廷直」朱文印 楊守阯序、12人題詩、方仕跋
《観瀑図》 安徽省博物館 「王諤」款 幾何学的な抽象性
壮年期:錦衣千戸に昇進し「欽賜王咢図書」朱文長方印を下賜される
《雪嶺風高図》 出光美術館 「欽賜王咢図書」印
《山水図》 東京国立博物館 童子携琴
 「錦衣千戸東原王諤寫」款「欽賜王咢図書」「東原叟」朱文印
《赤壁図》 常照光寺 「欽賜王咢図書」印
《瑞雪凝冬図》 台北故宮博物院 元代李郭派風
《雪景山水図》 プリンストン大学美術館 「文華殿直錦衣鎭撫王諤寫」款
最晩年:
◎1541年嘉靖二十《送策彦周良還国図巻》 天龍寺妙智院 第18次遣明船帰国時
 「直武英殿錦衣指揮王諤寫」款「東原叟」「兩朝賜聘」朱文印
その他
《雪山行旅図》 山東省博物館 
《秋堂吹簫図》 濟南市博物館

朱端 15C末-16C初
字克正、号一樵,浙江海塩人 弘治正徳の宮廷画家 幼年時、漁樵の生業
1501年弘治十四年画院に入る(「辛酉徴士」印)(A印とする)
正徳年間に錦衣指揮使を授かり「欽賜一樵図書」を賜る(B印とする)
[作品]
山水、竹石に長じる 山水は郭煕、馬遠、盛懋に、墨竹は夏昶に倣う
1518年《山水図》 紙本墨淡 ボストン美術館 元代盛懋風
 「正徳戌寅歳九月朔後二日雅山一樵朱端寫」款 4印
◎《寒江独釣図》 東京国立博物館 「朱端」款「克正」印 曼珠院旧蔵
《尋梅図》 208.3×124.5cm 台北故宮博物院 「朱端」款「克正」印
《江山漁夫図》 ストックホルム美術館 「朱端」款「克正」印A印
《柳院閑吟図》 天津芸術博物館 「朱端」款「克正」印A印B印 院体風を構成
《雪景図》 上海博物館 「朱端」款「克正」印A印B印
《烟江遠眺図》 北京故宮博物院 「朱端」款「克正」印A印B印 李郭派を抽象化
 元代李郭派の様式を抽象化、筆の舞 朱端の代表作
《弘農渡虎図》 北京故宮博物院 後漢劉昆の弘農(河南省)太守時の故事
《仙桃図》 烟台博物館 「一樵朱端」款
《竹石図》 167.4×100.5cm 北京故宮博物院 「朱端」款「朱端」印
《竹石図》 178×104cm 橋本家 「朱端」款「朱端」印

朱邦 15C末-16C前
字正之、号九龍山樵、隠叟、酣鼾道人、新安人
用筆は草々、用墨は淋漓 人物は鄭顛仙、張路、山水は馬夏様式、朱端に似る
《人物図》 193×102cm 北京故宮博物院 「朱邦」款
《豊溪漁隱図》 絹淡 163×101.5cm 安徽省博物院 「豊溪漁父朱邦写」款
 雪景の漁村のさまざまな漁父 横長の顔、波線の衣紋 精品
《採蓮図巻》 中国美術館 陳淳1540年行草書《採蓮曲》
《人物図》 205.5×97cm 草書自題 「朱邦」款
《茅堂風雪声図》 184×102cm 行書自題 「朱邦」款 保利2011秋拍売
 風雪茅堂野水灣,吟聲激徹水聲寒。鄰翁忽憶朝來約,許醉糟丘苔蓿盤。
参考:無款《夕夜帰荘図》 フリア美術館 光と大気の効果

鍾礼 15C後-16C初
号会稽山人、南越山人、字欽礼、浙江会稽上虞人 早く両親と死別、学問に努め趙孟頫風の書を善くし、最も画を得意とする
1490年謝進士と徐某の収賄事件に巻き込まれ罪を負い、盤石(四川への軍役?)を科せられるが、弘治帝の直仁智殿(画院)に召され赦免 大学士李東陽1447-1516、謝遷、王鏊ら文人との交流
1510年以降紹興に帰る 院体風山水、米法山水の雲山図を善くする
画の造詣に抽象化傾向、後に狂態邪学派に数えられる
《高士観瀑図》 177×103.5cm プリンストン大学美術館
《雪夜訪戴図》170.8×103.2cm 北京故宮 「会稽山人鍾欽禮書於一塵不染處」款
《挙杯玩月図》 205.6×104.1cm 台北故宮博物院 伝馬遠
《山水図》双幅 186.2×107.3cm 金地院(1833年信濃守南部利済より寄進)
  秋幅:漁樵問答「欽禮」款「鍾氏欽礼」「江南野人」印
  冬幅:林和靖「会稽山人鍾欽禮書于一塵不染處」款「鍾氏欽礼」「江南野人」印
《漁樵問答図》 139×82.6cm 定勝寺


後期浙派【狂態邪学派】
「狂態邪学」は、新興の呉派を擁護する何良俊1506-73らが、対照的なスタイルの弘治正徳以降の後期浙派の在野の職業画家、張路、蒋嵩、汪肇、鄭顛仙などに与えた評。その特徴は:
1.筆墨の粗放化(割筆、没骨、溌墨など潤筆の線の狂草化や溌墨化)
2.形態のデフォルメ(例えば人物山水画に大写された野卑な顔やポーズ)
3.抽象化(単純化)傾向(構成はパターン化する)
 →同時代日本の桃山・江戸絵画のへの影響(等伯の晩年、蕭白など)
何良俊らの評
鄭顛仙(鄭文林)・張復陽(張復、1403-1490)・鍾欽禮(鍾禮)・蒋三松(蒋嵩)・張平山(張路)・汪海雲(汪肇)の輩の如きは、皆畫家の邪學、徒に狂態を逞しくする者なり。倶に取るに足る無し」(高濂『燕間清賞箋』1591屠隆序)
我朝仁智殿を特設し、以て画士に処す。一時院中にある者、人物は則ち蒋子成、翎毛は則ち隴西の辺景昭、山水は則ち商喜・石鋭・練川の馬軾・李在・倪端。陳暹季昭は蘇州人、鍾欽礼は会稽人、王諤廷直は奉化人、朱端は北京人。然れども此の輩、皆な画家の第二流人、但だ当に之を能品に置くべき耳。……
 開化の時儼、号は清川、焦墨を以て山水・人物を作る。みな観るべし。同時に徽州に汪海雲あり。亦畫を善くすれども、墨気は稍、時(儼)に及ばず。而して畫法は正に近し。是れ皆畫家の矩度を失わざる者也。南京の蒋三松、汪孟文、江西の郭清狂、北方の張平山の如きは、此等は用うるに楷抹を以てすると雖も、猶お吾が几榻を懼辱するがごとき也。
 余、前に謂う。国初の人の畫を作るに、亦但だ率意に遊戯して精到する能わざる者有りと。然れども皆章を成せり。近年の浙江人の若き、沈青門仕(沈仕、號は青門山人、1488-1565)・陳海樵鶴(陳鶴、號は海樵、?-1560)・姚江門一貫(不詳)の如きは、則ち初めに師承する所無く、意に任せて塗抹し、然して亦た大幅を作りて人に贈る。笑うべし、笑うべし
」(何良俊『四友斎叢説』巻二九 1569)

張路 一説に1464-1537
字天馳、号茅蹊子、後に平山、大梁祥符(開封)人 体躯は短小、性格は温雅
1511年30歳前、府庠の学生、琴詩をよくする 父は開封通判
1516年父は武昌の知(趙完璧『海壑吟稿』)
1523年以降北京行?大司馬李鉞がパトロン
1508年呉偉卒以降久しくしてから、薛宸フ為に仏画を描く
74歳開封の家にて卒(朱安[水侃]「張平山先生伝」『明文海』)
[作品]
王諤、呉偉の影響 粗筆、工筆2体の人物山水 粗筆写意は呉偉より更に放縦
伝承者:似山、紀山の2子、孫の嗣山 その他たくさんの伝承作がある
◎《漁夫図》 東京護国寺 粗筆写意 L字構図の江山図 張路最良の作
《拾得観月図》 フリア美術館 無款 L字構図の顔輝風写意人物画
《赤壁游舟図》 京都国立博物館 粗筆写意 前景描写
《舞鶴遠眺図》 橋本氏蔵 粗筆写意
《道院訓鶴図》 140.0×97.5cm 橋本氏蔵 粗筆写意
《雪江泊舟図》 天津博物館 粗筆写意 道院訓鶴図をより抽象化
《風雨帰荘図》 183.5×110.5cm 北京故宮博物院 粗筆写意 道院訓鶴図を反転
《山雨欲来図》 147×105cm 北京故宮 粗筆写意 唐許渾「山雨欲来風満楼」
《溪山泛艇図》 165.8x97.5cm 上海博物館 粗筆写意 L字構図 涼風の様
《風林観雁図》 北京故宮博物院 院体を粗放化
《鷹兔図》 158×97cm 南京博物院 写意花鳥画 雪景の動き瞬間をとらえた精品
《吹簫女仙図》 141.3×91.8cm 北京故宮博物院 粗筆写意人物山水 L字構図
《桐陰望月図》 151.5×103.2cm 濟南市博物館 無款「張路印」印 樹林人物
《三高士図》 157.6×100.0cm 国華823 「平山」款「張路」印 壮年気鋭の作
《濯足図》 141.3×92.7cm 米田泰蔵 国華951 「平山」款
《望気図》 景元斎 粗筆写意
《人物故事卷》四段 天津博物館 工筆人物小品
《山水人物図》 赤壁帰漁 工筆人物小品
《雑画冊》18開 金箋紙墨淡 31.6×59.3cm 上海博物館 仙界山水人物の精品
 山水2点:山、海 人物16点:福(乗雲2童子)、寿(乗雲2童子)、八仙「純陽(剣)、国舅(巻)、湘子(筆硯)、拐李(杖)、仙姑(騎鶴)、采和(騎亀)、果老(書・器)、鍾離(大瓢)」、列子(風叢)、海蟾(蟾・串銭)、清羊仙子(騎羊)、白鹿仙(騎白鹿)、五老、四皓(対棋)
《帰驢図》 金箋紙墨淡 北京故宮博物院 工筆人物小品
《弾琴図》 紙墨淡 景元斎 工筆人物小品
《高士図》 絹墨淡 166.37x102.87cm ミネアポリス美術館 「平山」款
《東坡翰林帰還図巻》 紙墨淡 Berkeley Art Museum 無款 工筆人物小品

汪肇 15C末-16C前
字徳初、号海雲、安徽休寧人 約1519年前蒋嵩のいる南京で活動 鼻飲が得意
山水、人物、花鳥に工み 粗放な水墨(「海雲」は一説に作画時の溌墨の様を形容)
《起蛟図》 絹墨 167.5×100.9cm 北京故宮博物院
 L字構図 激しい風雨の中に出現する龍 老翁・童子2人物は枯柴描
《瀑布対話図》 プリンストン大学美術館
《風雨帰舟図》 絹墨淡痛み 146×74.5cm 安徽省博物院 「海雲」草書款
 L字構図 前景に風を背に艪をこぐ鵜飼の漁父一人、頭上に樹木 中景に家
《柳禽白鷴図》 絹墨着 190×103cm 北京故宮博物院 「海雲」款「克終」印
 渓流に雌雄の白鷴、4飛燕、垂柳、紅桃花 工写描き分け
《柳禽図》 絹墨着 日本個人蔵 北京本と同様な大幅
《松鹿図》 薮本家 八大山人鹿図に通ずる形態感、眼つきの人格化
《五鹿図》 絹墨 台北故宮博物院
《蘆雁図》北京故宮博物院、《月雁図》永青文庫 林良風の水墨写意 簡略化
《竹林山水図巻》 金箋紙 日本個人 1528年劭経邦跋

蒋嵩 15C末-16C前
号三松、金陵(南京)人 正徳嘉靖期前半に活躍
祖は大医院院判蒋用文1351-1424恭靖公、末子主忠ら詩文を良くする家
[作品]
山水は呉偉に学び、元画を吸収し、金陵の自然をとらえる
多く方筆を使い、潤いのある単純化した墨面に焦墨を用い、抽象化が進む
A.漁舟山水図のグループ: L字構図
《舟遊図》 絹墨淡 135.0×78.Ocm 根津美術館 無款 B雪景図と双幅
《蘆洲泛艇図》絹墨淡189.2×104.0cm 天津博物館 三松款「三松居士」「徂来山人」
《江山漁舟図》 絹墨 155.0×103.Ocm 南禅寺 「三松」
《水墨山水図》 原田光次郎旧蔵 三松□□公孫
《漁舟読書図》絹墨淡北京故宮博物院171×108三松款「恭靖公孫」「蒋嵩私印」偽?
《漁夫山水図》 絹墨淡 146.1×53.3cm フォッグ美術館 三松款「徂来山人」偽?
《漁夫山水図》 絹墨淡 165.8×92.3cm 景元斎 三松款「恭靖公孫」
 袁袠1502-47の題詩
《漁夫山水図》 絹墨淡 140.6×94.5cm 鈴木輝子蔵 三松
B.帰漁図のグループ:蕭々とした樹叢の繁る空間に帰る漁夫
《雪景図》 絹墨淡 135.2×77.7cm 根津美術館 無款 A舟遊図と双幅
《山水人物図》 絹墨 Berkeley Art Museum 三松款 恭靖公孫
《帰漁図》 絹墨淡 林屋秋嶺旧蔵 三松款「徂来山人」 右辺欠? 盛懋風
《水墨山水図》 松村孫一旧蔵
《山水図》 絹墨淡 鈴木輝子蔵 三松款「徂来山人」
《雪暮帰漁図》 絹墨 150.1×100.3cm ミシガン大学美術館
帰漁図》 絹墨 139.4×94.5cm 台北故宮博物院 三松款「恭靖公孫」印 謝蘭生題
Bのヴァリエーション:漁夫を高士に換えたもの
《秋林読書図》 絹墨着 164×106cm 山東省博物館 三松款
《携琴看山図》 絹墨 163.2×98.5cm 北京故宮博物院 三松款「恭靖公孫」
《無盡溪山図》 絹墨 123×53.5cm 上海博物館 江東蒋嵩寫無盡溪山図款「三松」
書斎山水:《瀑辺書屋図》 絹墨淡 張允中蔵 三松款「三松居士」「徂来山人」構築的
人物山水:
《松下箸履図》 絹墨 149×50cm 南京市博物館 祖筆人物画 三松款無印
小品:「瀟洒勁特、不着塵俗」・景鳳『明弁類函』巻41画旨
《四季山水図巻》 絹墨淡 各23.0×118.0cm ベルリン東アジア美術館
  みずみずしい筆墨と感性 「三松爲潔庵先生清玩」款「三松文房之印」
《山水図扇面》 北京故宮博物院 「三松為西園作」款「三松印」
《江秋横笛図扇面》「三松為□□先生作」款「三松」
《雪景山水図扇面》 金箋墨 柏原英一蔵 三松款「三松」1方印
その他、要検討の作:
《山水図》双幅 絹墨淡 京都国立博物館
《携琴訪友図》 絹墨淡 148.5×89.0cm 大英博物館 削款 早期作?
《山水人物図》 絹墨淡 林宗毅蔵 三松款「三松私印」1方印
《雪景山水図巻》 紙墨 31.1×703.6cm メトロポリタン美術館 コピー
《山水図》絹墨淡 139.7x87.63cm ミネアポリス美術館 三松偽款「徂来山人」印
 子の蒋乾1525-?字子健は《赤壁図卷》北京故宮博物院など呉派に接近する

鄭顛仙 16C前半
字号顛仙、名文林 福建人 正徳嘉靖期に活躍 道教に関わる
速い「狂」の線の舞、荒い墨面、明暗の対比 狂態邪学にふさわしい奔放な画風
《商山四皓図》 170.5×100cm 兵庫個人蔵 太陽 比較的温和な筆墨
《女仙図》 160×100.3cm 北京中央美術学院 西王母と桃を奉げる童子
《群仙図》 249×106cm 広州美術館 画を遮る老松の向こうに群仙の集い
《春柳奕棋図》 絹墨淡 187.7×94.5cm 北京故宮博物院 「滇仙」款2印
  柳下の山石に白髪と団扇を持つ壮年の2仙人が囲碁をやめ観瀑
《二仙図》 156×98.3cm 北京中央美術学院 紅・緑衣の仙人 背景に竹泉
《三聖図》 徳川美術館 上部に2猿、1匹は白猿 封猴を表すという説
《龍虎図》双幅 179.2×105.9cm 宮津国清寺 「顛仙」款「鄭氏文林」「滇僊」印
漁樵人物図双幅 橋本家 渦巻く線描、野卑な面貌
 《漁童吹笛図》 162.7×76.7cm 漁楽図 「滇仙」款「鄭文林」印
 《柳蔭人物図》 161.0×70.7cm 獵夫図 「滇仙」款「鄭文林」印
《魔壺界図巻》 紙墨 プリンストン大学美術館、メトロポリタン美術館に分蔵
《飼羊図》 176.0×101.5cm 景元斎蔵 黄初平故事

陳子和 16C前半
号酒仙 福建浦城人 弘治、正徳、嘉靖期に活動
初め塑工、後に画に改める 酒を好み、山水人物、花草翎毛を善くする
◎《松鵜・蘆雁図》 176.3×107.2cm 妙心寺東海庵 「子和」款 早期 浙派風
《双鷹図》 149×98.5cm 大友家蔵 「浦南粤臺山人印」印 林良風
(参考:無款《双鷹図》 168.1×99cm フリア美術館 雪景 袁忠徹1376-1458印)
《高士観瀑・人物図》 116.4×36.7cm 個人蔵(林伯壽旧蔵)「陳子和寫」款
《柳下人物図》 薮本家蔵 子和款、「灑仙」印 呉偉風の岩
《醉帰図》 149.7×96.9cm 景元斎飛紅夫人旧蔵 割筆 張路風 「陳子和寫」款
《双鳥図》 136.4×79.4cm 東京国立博物館 「灑仙」款「浦城陳酒仙印」印
《蘇武牧羊図》 148.5×101.5cm 嵊県文物管理委員会 「七十一叟灑仙陳子和寫」款
《双鷹図》 『小山林堂』記載 薮本家蔵 「七十五叟灑仙陳子和寫」款 波石
《古木酒仙図》 175.3×102.2cm 大都会美術館 「七十七叟灑仙陳子和寫」偽款?
《雪中獵夫図》 162.8×100.7cm 個人蔵 「八十三叟灑仙陳子和畫」款 最晩年


他の職業画家

王世昌 16C前半
号歴山 山東歴城人 山水人物がにたくみ
《松陰書屋図》 フリア美術館 元院体画家孫君沢を継承する画風
《俯瞰激流図》 台北故宮博物院 244×383cm 孫君沢風《大幅山水図》と対
1529年嘉靖八年《大幅山水図》 台北故宮博物院 
《山水図》 東京国立博物館 平明な画風 一陣の秋風 童子携琴

史忠 1438-1506?
字端本、廷直、号痴史、痴仙、痴翁、姓を徐に復し端本と名づく 金陵(南京)人
17歳まで唖、以降詩文書画に才能を発揮 呉偉、沈周と交流 山水は蒋嵩と繋がり
1473年《送別図》 東京国立博物館 痴翁款 粗筆写意 大まか
1503年《山水図》 関西雨宮家 痴翁款 粗筆写意
1504年《人物山水図》 台北故宮博物院 楊天澤の爲 痴史款 粗筆の描き残し
1504年春《雪中行旅図巻》 25×319cm ボストン美術館 粗筆写意の傑作
1506年70歳《山水図》 ケルン東アジア美術館 粗筆写意
1506年暮冬《古木図》 エリオット家旧蔵 痴翁款 割筆
《雑画冊》12頁 上海博物館 独釣図 痴翁款 狂逸な表現

郭詡 1456-1528?
字仁弘、号清狂道人 江西泰和人 山水人物に工み 一時弘治画院に応詔される
詩人であり職業画家を兼ねた先駆者
粗筆、工細2種の画風 豪放な写意人物画は、呉偉と名を等しくする
《雜画冊》8頁 各約29×46cm 上海博物館 粗筆 「典篤子」「一齋」「疏狂埜人」印等
  竹石秋菊(墨菊)、青蛙草蝶・鶏冠蛺蝶・蘆塘芥菜(孫隆風色没骨)
  蕉石婦嬰(呉偉風白描)、青山花村・草亭釣艇溪山空亭(史忠風粗筆山水)
《琵琶行図》 154×46.6cm 北京故宮博物院 粗筆 行草書
《山水卷》 設色 湖北省文物商店 工細
1526年《東山携伎図》 台北故宮博物院 最晩年の極度の省略

杜菫 15C-16C初
原姓陸,字懼男、号檉居、古狂、青霞亭長など 丹徒(江蘇省鎮江)人
成化中進士に挙げられるが合格せず 1489年頃北京、後南京に移る
詩文、白描人物画に優れ、山水、花鳥、走獣、楼台の画にも長じる
《林逋月下吟行図》 クリーブランド美術館 院体画風
1500年《人物図巻》 28×108.2cm 北京故宮博物院
《玩古図》 126.1×187cm 台北故宮博物院 仇英派の画家?
《伏生授経図》 157.7×104.5cm 美国個人蔵
《人物山水図》 薮本家蔵 白描人物

謝時臣 1487-1567後
字思忠、号樗仙(役立たずの仙人) 呉県(蘇州)人 蘇州市井の儒学者
丁養浩、子の喬の雅会に沈仕、周臣と共に参加 文徴明、仇英、陳淳との交友
山水に長じ、郭煕、呉鎮、王蒙、沈周、浙派戴進、呉偉に学ぶ
気勢ある大幅の障屏画を描く 膨大な数の伝承作品が日本他にあるが多く粗雑
1535年49歳《放鴨図》 王季銓蔵 呉派浙派折衷の中年期
1540年頃《山水図》4幅 原、繭山家旧蔵 中年期の傑作
 平湖烟柳 溪山風雨 秋峽雲涛 題不明
○1551年嘉靖30年《四傑四景図》 静嘉堂美術館
1551年65歳《山水図》 天津博物館 沈周風
1556年70歳《臥雪高士図》 日本個人蔵 袁安臥雪の故事
1558年嘉靖三七年72歳《山水図》 市河三鼎氏蔵
1559年73歳《酔翁亭記書画合璧巻》 台北故宮博物院 「仿黄鶴山樵筆法」題記
1560年74歳《楼閣観瀑図》 橋本氏蔵 「謝時臣写景」款 最晩年の傑作 沈周風
《華山仙掌図》 332×97.5cm 橋本氏蔵 浙派の影響の強い沈周風
《竹裡泉声図》 相国寺 沈佺期詩意 明末山水画を予見する岩塊の錯綜
《岳陽楼図》 北京故宮博物院
《虎阜春晴図》、《江山勝攬図卷》 遼寧省博物館
《夏山飛瀑図》 上海博物館
《杜陵詩意図》冊 北京故宮博物院
《武当霽雪図》 山東省博物館



参考書
「明代絵画と雪舟」展図録 根津美術館 2005年
單国強 古書画史論集 紫禁城出版社 2002年 浙派関係の論考7編を含む
 「戴進作品自序考」故宮博物院院刊1993年4期、「林良呂紀生平考略」同1997年1期
世界美術大全集 東洋編8 元 宮崎法子、西岡康宏編 小学館 1999年
故宮博物院 第4巻 明 小川裕光監修 NHK出版協会 1998年
Richard M. Barnhart, Mary Ann Rogers, Richard Stanley-Baker, Painters of the Great Ming: The Imperial Court and the Zhe School, Dallas Museum of Art, 1993
ジェームズ・ケーヒル 江岸別意 中国明代初中期の絵画 明治書院 1987年
鈴木敬 中国絵画史 下 吉川弘文館 1995年
鈴木敬 明代絵画史研究・浙派 東京大学東洋文化研究所特別紀要 1968年
穆益勤編 明代院体浙派史料 上海人民美術出版社 1985年
嶋田英誠「李在について 伝記篇、画業篇」(『国華』第1278,9号、2002)
嶋田英誠「王諤とその「雪嶺風高図」軸について」 (『国華』第1243号、1999)
近藤秀実「鄭顛仙資料」(『Museum』第428号、1986)
湊信幸「陳子和について」(『Museum』第353号、1980)
嶋田英誠「蒋嵩の山水畫について−「狂態邪學」派研究の一環として」(『東京大學東洋文化研究所紀要』第78册、1979)
于中航「明代画家張路及其《望月図》」(『文物』第2期、1991)
参考サイト
中国絵画千年巡礼 
おすすめ展覧会
《追索浙派》
2008年秋季:7月1日-9月25日 冬季:10月1日-12月25日 台北故宮博物院
「藝術的傳統」、「浙派與宮廷的交會」、「北京與南京」、「狂態邪學」の四單元85件の作品により浙派の展開を追索 →浙派年表
《明代絵画と雪舟》
2005年7月2日(土)-8月14日(日)(終了) 根津美術館  →展示品リスト
室町水墨画に独自の構築性を発揮した雪舟の画跡と、雪舟に影響を与えた明代淅派の絵画を新しい視座の下に紹介
文正 鳴鶴図(幅、承天閣美術館蔵)、石鋭 探花図巻(橋本氏蔵)、李在 雪景山水図(京都個人蔵)、蒋嵩 雪景山水図(根津美術館蔵)など
《天津市芸術博物館展
2003年10月11日(土)-11月24日(月・振替休日)(終了) 千葉市美術館
明朱端《松院閑吟図》、張路《雪江泊舟図》、萬邦治《秋林覓句図》、王謙《冰魂冷蕊図》の浙派作品を含む明清書画と文物の展示 →書画展示品リスト







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    明時代1 浙派  2002.11.3作成          
    
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