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 常熟・杭州・蘇州古琴行3            秋月

8月23日(木) 第4日目

凌瑞蘭(瀋陽音楽学院) 撃攘歌 シンセサイザーと瀋陽音楽学院中楽伴奏
荒井雄三(北京中央美術学院) 秋鴻 今回の大会では最大36段の大曲全段 マイクの調子が悪い →download 秋鴻MP3 1.9MB!(演奏時間:17分10秒)
戴暁蓮(上海音楽学院) 修禊吟 杏壇《西麓堂琴統》
 骨格の明解な打譜 杏壇はどこか《広陵散》に似た趣の曲 マイクの調子の悪いのが続く
兪伯孫(成都東坡琴社) 搗衣

昼休み、食事の時に同席した広陵派の大家、梅曰強(広陵琴社)と中医であり徐州に古琴の博物館を開設しているという徐永(徐州琴社)の部屋へ。韻と吟についてのお話と詩の吟唱に続き、《孔子読易》《平沙落雁》などを弾いていただきました。揚州のなまりのつよいお話はどれたけ理解できたかどうか。
けれどもゆっくりしたテンポの中で弾かれる吟はとても美しい。これが広陵派の神髄の一つなのか!
詩を吟唱する梅曰強 いぜん雨果HUGOレ−ベルの梅曰強のCDを繰返し聴き理解しようとしたが、朦朧とした音の中に埋もれて何も残らなかった。今実際に親しく弾ずる姿に対面して、その音を聴きたちまち疑いは氷解しました。吟の微妙な息づかいと音色は、雨果のCDは伝えていないことを。CDで古琴の音楽を判断する難しさをあらためて思い知らされました。

曽成偉(成都錦江琴社) 修禊吟 鳳求凰 蜀派らしい打譜
張子盛(天津古琴会) 荘周夢蝶 速いテンポで束の間の夢を表そうとしたのか
某著名古琴演奏家 自分の打譜を用意せず、呉景略打譜の漁樵問答を弾いたこと それに対して貴重な時間を浪費したと、はげしい批評がおこる 文革時はかくやと想わせ、日本にはない恐ろしい感じ
裴金宝(蘇州呉門琴社) 離騒《西麓堂琴統》 旋律線がうかびあがり めりはりのきいた演奏 好感をもてる 陳長林の打譜を参考にしたという
徐暁英(杭州霞影琴館) 關雎 中間部の泛音に詩をあてる 琴歌の試み 張銅霞も
もっと琴歌の打譜がとりあげられてよい 今でこそ独奏重視だが、古琴音楽の発展全体をみわたせば重要度は半々

晩上 研討会
離騒をめぐって
というテーマで、特別に時間をもうけたが、離騒を離れ打譜一般論になった
旋法の問題 譜の解釈 現代の楽律にあてはめる 原譜の時代の楽律
原譜を改変してよいか?
打譜とは何か?
テキストクリティックの必要
呉釗Zhao 打譜に必要なこと 1原典研究 2文化背景の修養 3古代音楽研究 4古代現代の両古琴楽律の研究

雅集 地方方言による詩の吟唱
湖南古語方言 李明による《楚辞》吟唱
香港在住の李明教授は湖南出身 湖南方言の《楚辞》からのさわり(“長太息以掩涕”から“固前聖之所厚”まで)の吟唱は興味深いもの 自身のアレンジした琴簫伴奏も美しい

広東方言 有志による合唱(李明作曲):李白《将進酒》

兪伯孫の琴簫伴奏詩による吟唱 詩を弾吟する兪伯孫 四川方言 兪伯[艸/孫]による吟唱2首
琴簫伴奏1首:曲名不明(“峨眉山…” 兪老編曲、古琴:李鳳雲、洞蕭:王建欣)、
独奏1首:蘇軾《念奴嬌 赤壁懷古》(“大江東去、浪淘尽、千古風流人物…”)
この日いちばんの聴きもの
補聴器の具合が悪かったのか、調弦が狂っているにもかかわらず、恍惚として独り吟じ、弾ずる兪老の姿は、四川出土の漢時代の弾琴俑を彷佛とさせた 調弦の違いによる不協和音が、かえって日本中世の語り物のような迫力を生み、古代の琴歌はかく弾かれたのかと想像をかきたたせられた

8月24日(金) 第5日目

呉釗Zhaoの漢宮秋
呉釗Zhaoの問いかけ:明清琴曲の優劣〈清の琴曲が明からの発展か落寞か〉
早期を重視 自然 簡単  右手 声 変化音 《松弦館琴譜》漢宮秋8段(「婦女声」)
後期を重視 発展 細[月貮] 左手 韻 五音 《五知斎琴譜》漢宮秋15段(内心の声)
全段15分以上 この日の演奏は3段を節段したが、それでも13分 もっとおそく演奏してもよいという印象
清時代の琴曲は、左手の吟韻の微妙さと曲の拡大の点でたしかに発展 しかし発展は必ずしも曲の価値と一義的に結びつかない

唐世璋(John Thompson アメリカ)の打譜
《神竒秘譜》全曲打譜、五線譜化、CD録音(CD盤面には自分が撮った南昌の朱権墓の写真をデザインという懲りよう) 他に誰もしていない
ピアノで分散和音を弾くようなたちあがり。リュートあるいはバンジョーをかき鳴らすような音の展開。
李祥霆の質問:散板で演奏したのは何故? 
唐世璋の答え:私の五線譜を見てもらえばわかるように、打譜の段階では曲のstructure構成をきちんと把握している。しかし私はミュージシャンなので、演奏の時はplay free自由に弾いている。
民族のリズム感の違いについての本質的な問い 節奏感(リズム感)もっとも身体的、原始的 本来の血、気質のようなものがでる
中国人:古琴の有節無拍
日本人:有節気迫(拍を間合い(気)でとる)
欧米人:無節無拍になりがち(狩猟民族の前倒しの拍感がなくなると、全体のリズム感が狂う?)
李祥霆の問いは、ロンドンに長く滞在し欧米人に多く教えた経験をもつからか
議論の応答は違う方向に展開 唐世璋は自説を開陳するのみ
唐世璋の持論
1.変化音についての持論 《洞庭秋思》を例
2.絹弦対鋼弦(スチール弦をナイロンで捲いた弦)の持論 打譜も絹弦ですべき 西洋古楽の弦楽器がガット弦を使用 historical informed performence(歴史的な裏付けある演奏)
中国以外の国の人の打譜:
唐世璋の《神竒秘譜》全曲打譜、五線譜化、CD録音は中国人がみならうべきという許健の賞賛
打譜の一方の極

8月25日(土) 第6日目 最終日

呉文光の打譜
《神竒秘譜》研究生の時、全曲打譜、五線譜化、部分CD録音
關雎《松弦館琴譜》 常熟に敬意 父呉景略 故郷
離騒《神竒秘譜》激動派 揺手震手 ふるえる手 満身怒相 激情の様子
ある感情の高まり 頂点で表現 ロマン的表現主義
満場の拍手 打譜会議の最後を締括るにふさわしい 虞山出身の大家 
打譜の手本
離騒の物語性をどう打譜に反映させているか 小さい頃に読んでいる
どこを聴いてもある高まりが聞こえる 構造がつかみにくく展開は弱くなる ふるえる手で弾きだされる音はシンコペーションに
打譜の他方の極




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  中国古琴行    2001.9.1写 

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