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 奈良時代の彫刻 古典的な人間観の成熟1 天平前期彫刻

奈良時代
女性の天皇が多い 貴族仏教
白鳳     天平前期         盛期         後期
41持統 42文武 70743元明 44元正 72445聖武 74946孝謙76448称徳 78150桓武
藤原不比等          ─藤原宮子-754
      橘三千代-733  ─光明皇后701-60
再建法隆寺     興福寺       752東大寺大仏開眼 8C後唐招提寺

天平前期彫刻
初唐の影響 天平初めの初々しい造形 人間への古典的な洞察(年齢による変化など)

法隆寺伽藍●法隆寺五重塔初層 塑像群
 711和銅4『法隆寺伽藍縁起并流記資財悵』
 塔本四面具
[技法]塑像
 ガンダーラの「ストゥッコ」
 →中国の「彩塑」「塑璧」『歴代名画記』
  1. 心木+藁縄
  2. 荒土  山土+藁すき
  3. 中塗土 砂+粘土+籾殻すき
  4. 仕上土 細砂+埴汁(粘土水)+紙すき ヘラに水をつけ細部を仕上げ
  5. 白土地+彩色
 ふっくらとした肉付き 7C末-8C初初唐の影響
[主題]釈迦の死を中心にした物語(塔は釈迦の骨←→堂は像を納める)
東 維摩詰像土 維摩52.4cmと文殊45.2cmの問答『維摩経』 背景に山水塑璧
北 涅槃像土  釈迦の死 号泣する僧7体の豊かな感情表現 背景に山水塑璧
西 分舎利仏土 釈迦の骨を8ヶ国の王に分ける 背景に山水塑璧
南 弥勒仏像土 釈迦入滅後56憶7千万年後 背景に山水塑璧 弥勒仏以外後補

●興福寺西金堂 十大弟子・八部衆立像 天平六年734  現在興福寺宝物館蔵
[興福寺] 藤原氏の氏寺
伽藍      本尊    発願者
中金堂 8C初  釈迦如来  藤原不比等-720
北円堂 721  弥勒如来  天皇家
東金堂 726  薬師三尊  聖武天皇
五重塔 730  塑像仏像群 聖武天皇の后、光明皇后
西金堂 734  釈迦如来  光明皇后 毋橘三千代-733の供養
講堂  
南円堂 
 以上の創建時伽藍は1180平重衡の南都焼打ちなどにより全て焼失
[興福寺西金堂の諸像]
光明皇后発願、遣唐使702-718帰国の道慈が指導か
金光明最勝王経の世界を立体的に表す 「婆羅門が撥で金鼓(こんく)をたたく」
 大衆が救われる時、金鼓が鳴る(参照:●華原磬 興福寺国宝館)
丈六釈迦如来 2脇侍菩薩(以下、諸像は『興福寺曼荼羅』による)
婆羅門、金鼓 羅睺羅像
四天王
梵天帝釈天 141cm サンフランシスコ・アジア美術館
羅漢10体→十大弟子6体現存 仏師:将軍万福 画師:秦牛養『造仏所作物帳』
八部衆8体→八部衆8体現存
[技法]脱活乾漆(だつかつかんしつ) やらわかい仕上がり
 (塑像でだいたいを仕上げ)→麻布を5,6枚+漆(表面がやわらぐ)→
→中の土をかき出し空洞に→板や角材で補強→木屎漆+金箔彩色
[主題]
釈迦十大弟子 『維摩詰所説経』弟子品、『最勝王経』の十大弟子と異なる
 袈裟 金剛板 洲浜座 少年の姿 日本人の顔立ち 年齢の造形
興福寺現蔵6体:
須菩提すぼだい)  若人 大まかな衣の襞
舎利弗しゃりほつ) 成人 外 垂直の衣の襞
羅睺羅らごら)   成人 内
富楼那ふるな)   壮年 しわ 細やかな衣の襞
目犍連もくけんれん壮年 しわ 口を開く
迦旃延かせんえん) 老人
(大迦葉(だいかしょう)阿那律(あなりつ)優婆利(うばり)阿難陀(あなんだ)
破損4体:明治後半、寺外に流出
1.伝優波離像頭部のみ 竹内久一修理 大倉喜八郎旧蔵 関東大震災で焼失
2.心木のみ残存 東京藝術大学美術館 1913年買入
3.頭部のみ残存 田万清臣旧蔵 大阪市立美術館
4.木骨、双手、片足のみ残存 大阪市美蔵「頭部」と一具か 個人蔵
 武藤山治旧蔵 胎内に大正11年菅原大三郎修理記 2014年クリスティーズ

八部衆 洲浜座 武装 鎌倉時代の補彩 インドの異教の神 仏法守護
 『法華経』の八部衆(天、龍、夜叉、乾闥婆、阿修羅、迦楼羅、緊那羅、摩睺羅伽)と異なる
興福寺の八部衆 阿修羅以外甲冑をつける
沙羯羅さから)   幼年
五部浄ごぶじょう) 少年 象冠
乾闥婆けんだつば) 少年 獅子冠 目を閉じ耳をすまし泣いているような顔
緊那羅きんなら)  成人 人面鳥身 三目一角
畢婆迦羅ひばから) 成人 鬚
鳩槃荼くばんだ)  忿怒
迦楼羅かるら)   鳥頭 ガルーダ
阿修羅あしゅら)  少年 インド軍神 三面六臂(情念相、忿怒相、謎の相)
 上帛、天衣、胸飾・臂釧・腕釧の装飾、裳、板金剛の履物、耳の位置の工夫

行基菩薩の活動
貴族仏教に対する大衆救済のための仏教の活動
天智天皇七年堺市家原寺で生 ◎行基菩薩絵伝
15歳出家 飛鳥寺で学ぶ
22歳僧に しかし葛城山で修行、在野の聖として活動“行基菩薩”と呼ばれる
木津川で社会事業 泉橋寺、岸和田市久米田寺(隆池院)庶民のための仏教道場
養老元年行基弾圧 昆陽寺
貝塚市木積孝恩寺●観音堂(釘無堂)に住む 鎌倉再建、行基葺、創建時の柱
 行基仏 ◎難田龍王像 ◎弥勒菩薩像 厚い唇、広い鼻 ◎薬師如来
 ◎天部板絵
神亀元年奈良菅原寺 試みの大仏殿 76歳大仏勧進にあたる
天平十七年大僧正に 82歳で卒


参考書
奈良六大寺大観 法隆寺、興福寺 岩波書店 1970-73年(1979年-再刊)
参考サイト
興福寺 文化財検索、金井杜道フォトギャラリー、古写真ギャラリーなど
シンポジウム=「興福寺 波乱と復興の1300年、そして今」
 東京藝術大学大学院美術研究科 文化財存保存学保存修復彫刻研究室による

展覧会
興福寺創建1300年記念「国宝 阿修羅展」
2009年3月31日(火)〜6月7日(日) 東京国立博物館 平成館
2009年7月14日〜9月27日 九州国立博物館
八部衆像、十大弟子像、中金堂基壇から発見された1400点をこえる鎮壇具(国宝)や、再建される中金堂に安置される薬王・薬上菩薩立像(重要文化財)、四天王立像(重要文化財)など、約70件を展示。八部衆像(8体)と十大弟子像(現存6体)の全14体が揃って寺外で公開されるのは、史上初めてのこと
※八部衆像、十大弟子像は、通常は興福寺国宝館にて展示
 詳細は上記興福寺サイトを参照


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 日本美術史ノート 奈良時代の彫刻   2002.5写 

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