六朝の絵画 古典人物画その1 顧愷之 約345-406頃
中国絵画の批評基準「画の六法」
参考書
[生涯] (張彦遠『歴代名画記』巻4 顧愷之伝に詳しい)
晋 江南の江蘇無錫に生 字長康 顧愷之は卒後の名称(堂谷憲勇)
1.揚州時代 慇浩、顧悦之(顧ト之父)
2.桓温312-373の參軍時代 桓温、謝安、慇仲堪、桓玄との交流
3.義煕405-418初めの散騎常侍時代 謝瞻との交遊
[作品]
人物画 肖像、故事人物 真蹟は遺っていない
高古遊糸描 人物画の衣紋線 連綿と流れる優美で均一な線
呉帯当風 人物画の衣のかろやかに流れる形 ←→曹不興 曹衣帯水
山水の萌芽 初唐以前の山水 無皴
樹は臂を伸ばして指を開いたよう「若伸臂布指」
人は山より大きく、水は浮べられない「人大于山、水不容泛」
《女史箴図巻》絹本設色 24.8×348.2cm 大英博物館 初唐?のコピー

張華232-300『女史箴』の詞と画9つの勧戒図 山水描写が1場面ある
《烈女伝図巻》絹本設色 25.8×470.3cm 北京故宮博物院 宋?のコピー
劉向BC77-6『烈女伝』の詞と画 勧戒図
《洛神賦図巻》 三国魏 曹植192-232(曹操の子)『洛神賦』を1巻に絵画化
神仙の主題 曹植と洛水女神の叶えられない恋 南朝の貴族趣味
異時同図法 曹植と女神が反復出現 背景は古拙な青緑山水
北京故宮博物院本 絹本設色 27.1×572.8cm 宋のコピー 金章宗印 詞無
遼寧省博物館本 絹本設色 26.6×546.0cm 宋コピー 有詞 冒頭 後半
フリーア本 絹本設色 24.2×310.9cm 南宋のコピー 詞無 前半欠く
テキストと画の関係→《洛神賦図巻》と曹植『洛神賦』
動く《洛神賦図巻》 自動的にスクロールします
[画論] (張彦遠『歴代名画記』巻4 顧愷之参照)
魏晋勝流画讃 魏晋の画20点について
論画 人物>山水>犬馬>台閣(建築) 模写論
画雲台山記 雲台山(四川省の天師道教の聖地)を描く 山水画の構想
[エピソード]
かって厨子いっぱいの画を桓玄にあずけた。いずれも秘蔵の優れた作品ばかりだった。封をして題をつけておいた。桓玄は厨子の後ろをあけ画をとってしまい「開けはしなかった」といってごまかした。顧愷之は盗まれたとは疑いもせず、ただ「画がすばらしく神霊につうじたので、すがたを変えて飛び去った。人の昇仙のようなものだ」といった。そこで人々は顧愷之の三絶“才絶、画絶、痴絶(このうえない阿呆)”と讃えた。
甘蔗(さとうきび)を食べる時いつもシッポから本体へと食べていった。家の者がわけを聞くと、こういうふうに食べれば“漸入佳境”に入れるといった。
人物画を描いて数年も瞳を入れなかった。わけを問うと「肉体の美醜はもともと画の妙所とは無関係だ。精神を伝えるのはまさにここにある」(四体妍蚩,本無闕少于妙處,傳神寫照,正在阿堵中。)と答えた。
南斉479-502 謝赫『古画品録序』 系統だって凝縮された言葉 現在も影響
一、気韻生動 気と韻(生命の流れとリズム)が生き生きとしている
二、骨法用筆 線の力 筆の用い方に骨がある
三、応物象形 デッサン力 物に応じて形を写す
四、随類賦彩 色彩感 物の種類に従って色をつける
五、経営位置 構成力 物の位置をはかり構成する
六、伝移模写 古画の模写をとおし最良の伝統をどれだけ受けとめたか
張彦遠/長広敏雄訳注 歴代名画記 平凡社 東洋文庫305、311 1977年
中国古典文学体系54 文学芸術論集 目加田誠編 平凡社 1974年 歴代名画記訳
中国古典文学体系 漢・魏・六朝・唐・宋散文選 伊藤正文・一海知編 平凡社 洛神賦訳
画品叢書 于安瀾編 上海人民美術出版社 1982年 『古画品録序』テキスト
陳葆真 洛神賦圖與中國古代故事畫 臺北 石頭出版社 2011年
参考サイト
私家版曹子建集 洛神賦訳をお借りしました。
『古画品録』訳注
中国絵画史ノート 六朝 「画の六法」 2002.5.1作成
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