河南博物院
小雨の中、河南博物院へ。設備のととのったりっぱな美術館です。

	戦国	[足忌]跽坐人漆絵銅灯	1974三門峡市上村嶺出土　高48.9cm 斜の髻に束冠をつけ、長袍を着て幅広の帶をしめ、鈎扣で合わしています。両臂を平らに伸ばし永遠に灯架を握らされています。
	西漢	四神雲気図壁画	永城県芒[石易]碭山出土 この日ショックだったものの一つ。こんな数ｍもある完結した西漢の時代の大壁画が遺っていたとは、思いもよりませんでした。
	南朝	商山四皓画像磚	鄭州市学荘出土 東園公、夏黄公、綺里季、[丿用]甪lu里が集います。六朝の古琴の数少ない演奏史料（1.現在では演奏されることのない琴笙合奏の形。2.左手を開いた演奏の姿勢。3.現在に通じる細長い琴の形）として興味深いもの。古い写真で見る同じ図柄の磚（河南省鄧Deng県北朝墓出土）では左上が欠けているのに、展示品では完結しています。同図様のものが北朝と南朝とで２つ出土した！？あるいは倣製品。拓本80元
	宋	古琴《石泉》	伏羲式　栗殻色漆　蛇腹紋　端正な古琴

華夏古楽演奏（10時より20分ほど） １．朝楽　２．屈原問渡　３．[尸炎][尸多]歌　４．神人暢　５．蛍の光 編鐘・編磬・瑟・[土員]埍・打楽器の編成。２と４は、古琴曲の編曲。編曲は開封の古琴家丁承運が関わっています。こうした古楽の演奏もだんだん質があがり、古代の世界の啓蒙に役立っていくでしょう。

特別展：《国宝帰覧　境外追繳[糸激]文物精品展》　1998年美国の克林頓大統領が訪中した時に返還された宋陵（鞏義市）の永泰陵外国客使石頭像など

昼によった恵豊源[火会]烩面館（鄭州市経七路　河南博物院正面の通り）の[火会]烩面（山梨県のほうとうのような麺に羊骨のスープ）が◎。

打虎亭漢墓
1958年に発掘された打虎亭漢墓は、河南省鄭州市から西南へ45キロの密県城打虎亭村にあります。東西に30mの距離をおいて２つの土山があり、画像石墓と壁画墓の大規模な漢墓が并列しています。墓室はそれぞれ墓道、墓門、甬道、前室、中室、后室と耳室に分かれています。

	東漢	第１号画像石墓	大青磚を敷いた「廾」字形のプラン。墓室の石門の壁は雲紋の中に青龍、白虎、朱雀などが刻され、各室の画像石には庖厨、收租、宴飮、出行などの生活の場面が明快に線刻されています。絵の地が黒いのは拓本をとったため？潮湿に黒光りしていました。
	東漢	第２号壁画墓	墓内は７mもある長大な宴飲百戯図・車馬出行図など彩色壁画でおおわれています（ただし全て複製に換えられています）。 複製とはいえ現場で実物大で見た中室東壁上部の山水壁画は、この日ショックだったもののもう一つ。左右に大樹が垂直に生え、背景には山岳があるようです。紅衣の仙人たちの間には、あちこちに朱の火炎が上がり、山水ならぬ山火の壁画は異なった山水画の始源を考えさせます。

夕方、帰りに新密市に立寄り９重の屏峰塔のある丘に登ってから、近くの実験中学校へ。３年次学生張楠の実家の公寓で、実験中学校の老師をしているご両親から心のこもった夕食のもてなし。


９月 6日（水）　　鄭州　鄭州博物館　古玩城　鞏義

鄭州博物館

	唐	石彫菩薩群	[艸/冖/水]xing陽大海寺 奈良唐招提寺の木彫群に主題（獅子吼菩薩など）や造作が似ます。大海寺のものはやや角ばって無骨。
	清	宋　蘇軾書《酔翁亭記》刻石	高有聞1691刻　原書は金の趙秉文の書から偽作したもの。
	清	南朝梁　《瘞鶴銘並序》刻石	李国治1896刻

古玩城

古玩城はおもしろいものなし

文物商場は、２時半まで昼休みのため入れず

ミニバスで鄭州から鞏義まで移動。４時鞏義市着、黄河賓館（単人75元　双人45元　0371-4352907）泊。
賓館近くの餐庁で皆で夕食。

９月 4日（月）　北京　鄭州
　　 5日（火）　鄭州　河南博物院　打虎亭漢墓　新密
　　 6日（水）　鄭州博物館　古玩城　鞏義
　　 7日（木）　鞏義　宋陵　NEXT→鞏県石窟　黄河
　　 8日（金）　洛陽　古墓博物館
　　 9日（土）　龍門石窟
　　10日（日）　関林　水泉石窟　龍門石窟
　　11日（月）　民俗博物館　洛陽博物館　白馬寺
　　12日（火）　永楽宮　西安
　　13日（水）　西安　歴史博物館
　　14日（木）　兵馬俑　臨潼県博物館　華清池
　　15日（金）　碑林　歴史博物館　考古研究所
　　16日（土）　咸陽市博物館　茂陵　乾陵　懿徳太子墓　永泰公主墓
　　17日（日）　法門寺
　　18日（月）　古玩城　西安
　　19日（火）　北京