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 北京信息

4月 6日(木)晴曇  「沙塵暴」5度目の来襲 (北京晩報より)


今朝、おだやかな春の青空が見えていたのに、10時頃から強風と共ににわかに視界がくもりだし、終日黄砂が吹き荒れました。以下は北京晩報の記事を翻訳したものです。写真は午後4時頃、王府井の部屋から北の街並を写したものです。

今日、北京に再び沙塵暴がおこる
黄塵風景

 今日、「沙塵暴」(sha1chen2bao4)が再び北京を襲った。市の環保監測センターの最新の監測データによると、午前10時、定陵の空気中の塵濃度が、清潔点の1000mg/㎥を超えた。これは塵が北京の外から来たことを示している。もし北京の塵が舞い上がったのなら、定陵の観測値はこのような高濃度にはならない。同時に、午前10時13分より8級の西北風が海淀区に吹きはじめ、ここ数日下がっていた気温が上昇し、さらに大風をおこし塵と砂が舞うのを助長した。(新華社発)


大砂漠の黄砂が毎年100万トン

 冷たい空気の影響により、先月初めより、内蒙古自治区の広範囲に爆発的に「沙塵暴」がおこり、北京と華北地区を襲った。専門家によると先月初旬から中下旬にかけて内蒙古に沙塵暴が続いた。北京の沙塵暴の原因は、主に内蒙古の沙塵暴によっている。
 次いで、北京周辺の砂漠化も沙塵を引き起こす原因となっている。風音をあげてやって来る「沙龍」はすでに北京などを半ば包囲している。専門家の実地調査によると、張家口洋河中流の100キロ足らずの範囲内に総面積1.4万ヘクタール以上の、大砂漠が数カ所あり、毎年北京に100万トンの砂をもたらしている。砂漠はすでに燕山中腹の豐寧県潮白河の上流にもたっしており、最も近いものは北京懷柔県から18キロの距離に迫ってきている。
 内蒙古気象局農牧気象センターの極地衞星の写真によると、自治区西北部の阿拉善盟におこった沙塵暴が、伊克昭盟、巴彦尓盟、烏海市、包頭市、烏蘭察布盟、錫林郭勒盟、赤峰市、通遼市を経過し、安盟以東にいたっている。内蒙古農牧気象センター副主任、裴浩によると、沙塵暴の中心は錫林郭勒盟西部にある。錫林郭勒盟地区の大部分は視界ゼロとなっている。沙塵暴の最高風速は毎秒22mにたっする。沙塵暴にともなって内蒙古の大部分の先月下旬の気温は8ないし10度に下った。また烏蘭察布盟以東は暴雪となっている。海拉尓の降水量は9ミリ、積雪は11センチ。内蒙古東北部は、大雪または暴雪、ところによって吹雪となっている。
 専門家によると、内蒙古の沙塵暴は、一定程度、華北と東北地区に影響し、今年は、昨年より半月ほど早くなっている、という。

砂塵は明日北京を去る

 北京市の環保監測センターの最新の監測データによると、午前10時、定陵の空気中の塵濃度が、清潔点の1000g/㎥を超えた。これは塵が北京の外から来たことを示している。もし北京の塵が舞い上がったのなら、定陵の観測値はこのような高濃度にはならない。この砂塵の原因は、市気象台の技師、孫業福によると、主に蒙古上空に揚がった塵が、西北気流にともない南下し、華北北部の低気圧の暖湿気流が加わり、冷暖の空気が混ざりあってひきおこされた。
 孫業福の予測では、この砂塵は北京市に長くは留まらず、今夜半の風力は5級ほどの偏北風に減速し、夜半以降も引き続き減少し、明日は晴れ、大風、砂塵は終わり、西北気流が南下し、山東、蘇北および長江中下流にたっするだろう、という。(孫海東、丁肇記事)

人さわがせな砂塵また北京をおそう

 本日午前10時ごろ北京に突然“黄塵”がまった。眼前の建築はただ輪郭のみとなり、ビニール袋や紙くずが空に舞った。通りの人影は減り、人は商店に隠れ、自転車の女性はスカーフを取り出した。長椿街では、道行く人は地下鉄に入り、黄色い空を無言で見上げていた。和平門の高層建築の現場では、作業員が足場をすみやかに撤去するよう命ぜられた。路上の車は窓を閉め速度をおとした。
 オフィス内にも塵が満ちた。密閉された窓の下のFAX用紙も数分で、うっすらと黄土におおわれた。
 記者は、122報警台と連絡を取りあったが、黄砂は視界に影響するが、車が速度を落としたため、本紙発稿までは重大事故にはいたっていない。
 東単の交通警官の王さんは、黄砂に“沐浴”の中、一方で車両をきびきびと交通整理しつつ、次のように話した。「北京に連続して大風がきて、交通整理の仕事はたいへんだ。風砂では目が迷い、顔が痛み、鼻や耳に砂が入りこむ。こんな天気には交通事故がおこりやすい。さらに注意してよく見ることが必要だ。」
 本紙の電話のホットラインである読者は、この春、北京に続いている「沙塵暴」を憂慮した。記者は街頭で何人かに取材した。自転車の市民、李海は「口に土が入って話ができない」。湖北から初めて来た劉曉雅女士は「先ず天安門と中山公園に行きたいのに、地下鉄の中で黄砂をやりすごすしかない。こんな天気は今まで見たことがない。清潔で美しい北京を想いえがいてきたのに、満天の黄砂に迎えられるとは思いもしなかった。」
 
 地下鉄前門駅の清掃員は、まさに車内を掃除したばかりのところを、一陣の大風で吹き散らかされ、せっかくの“労働成果”が無になった。「この大風で仕事はできない。」
 正午近く。学校返りの子供を迎えに行こうとした劉女士は、普段なら自転車で行く所を、ある門が大風であやうく倒れそうになっているのを見て、すぐに気持を変え迎えの自動車を呼んだ。学校とは10分もない距離だが、子供の眼や口に土が入るのを心配したためである。
 今日、崇文区の園林局搶険隊(危険除去)の同志は皆、早くから待機しているが、今の時点までなお危険の報告は受けていない。今春、頻発している大風で4本の樹木が被害を受けたが、処理時には何の危険も発生していない。すでに崇文区では全ての木に検査が行われ、“危険樹”のためには対策が考えられ、24時間体制の搶険値班制度が実施されている。(本報記者張揚劉、通訊員馬宇鵬)


北京市は今年になってすでに六回の浮塵にみまわれる

時間 天気 持続情况
3月3日 終日浮塵
3月17夜至18日 終日砂、浮塵、大風
3月22日夜至23日 終日砂、大風
3月27日 終日砂、大風
4月3日上午 半日砂、大風
4月6日上午10:00開始 砂、浮塵、大風
         表作成:北京市気象台技師孫業福


また日本の朝日新聞は次のように報道しています。

今年最大の黄砂、北京の空を覆う

 6日の北京は、今年最大の黄砂に見舞われ、町は黄色い煙幕に包まれた。黄砂が吹いたのは今春6回目で、例年になく多い。専門家は「今年は雨が異常に少ない。開発ブームで工事現場は裸の土地も多い。内モンゴル自治区の砂漠化も無視できない」と指摘している。
 この日は朝から強い風が吹き、町は土ぼこりや捨てられたポリ袋などが空に舞った。首都国際空港も影響を受けた。北京市の気象台によると、1950年代は春の黄砂は年8−9回あったのに、80年代は5−6回、90年代は2−3回に減っていた。(朝日コム 4月6日07:16)




  北京信息   2000.4.7更新

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