秋月琴譜   減字譜指法  一.音色 速度 リズム 二.右手指法 三.左手指法

i 琴譜 減字譜指法             秋月




三.左手指法
だいし
大指
大指の先を少し曲げ、側面で弦を按じます。大指の按弦には2個所あり、一つは爪の側面、爪と肉の境い目、甲肉あい半ばする所です。もう一つは、大指の曲げた関節の凸起部分、完全に肉で弦を按じます。2、3弦を連続して弾く時、この2個所を兼用します。左手の4つの指のうち大指を最もよく用います。
しょくし
食指
食指の指の先をそのまま弦の上におき弾きます。徽の上で泛音を弾くのによく用います。
ちゅうし
中指
中指は指の面で弦を按じます。琴面の中ほどから下でよく用います。
めいし
名指
名指は指の左側面(小指方向)で弦を按じます。左手の4つの指のうち大指についでよく用います。

名指をおり曲げ弦を按じます。多く七弦の五徽以上で用います。弾法は名指の中節と末節を弯曲させ、名指の背の左側の部位で弦を按じます。
じょう
弾じて音を出した後、弦を按じたまま指を離さず、弦の右へ1音あるいは数音上まで滑らせます。2音間は直接つなげ滑奏音を入れないようにします。

“上”と同じ弾き方で反対方向へ指を滑らせます。
しん
“上”と似た弾き方で、ただ“上”の1音のみを得ます。
たい
退
“下”と似た弾き方で、ただ“下”の1音のみを得ます。
ふく
もとの音に戻ります。
しんふく
進復
進復を続けて用います。弾じて音を出した後、上に1音進みまた下にもとの音に戻ります。進復の2つの音は虚声になります。
たいふく
退復
退復を続けて用います。弾じて音を出した後、下に1音進みまた上にもとの音に戻ります。退復の2つの音は虚声になります。
いん
“上”または“下”を結合して用います。つねに“弓上”または“弓下”と記譜します。“引上”、“引下”の音の過程は、たいていゆっくりとして滑奏音が入ります。
しょう
つねに“尚下”と記譜します。“下”と似ますが“淌”は“下”より過程がゆっくりとして滑奏音が入ります。尚上はまずみられません。
とう
弾じた後、指を半音あるいは1音ほど(音高の規則はありません)上に急に撞(つ)き滑らせ、すぐもとの音に戻ります。たいへん速く弾きます。
( ) こうき
大指を弦におき1音を弾じた後、大指の下1音に名指をおいたまま、同時に大指で今弾いた同じ弦をひっかけます。その時、大指の爪の左側面で弦を内側にはじくようにして、名指の按じた音をだします。「搯」(とう)とは別字。
( ) はき
抓起
大指で弾じた後、そのまま大指を弦にひっかけるようにして同じ弦の散音をだします。
( ) たいき
帶起
名指で弾じた後、そのまま名指を弦にひっかけるようにして同じ弦の散音をだします。
あん
名指で弾じた後、大指を1音上の位置に打つように置き音をだします。
( ) きょあん
虚罨
左右の手は按じも弾じもしないまま、左の大指または名指を所定の音の弦の上に打つように置き音をだします。
すいしゅつ
推出
中指で第一弦を弾じた後、そのまま中指を弦の外に推し出すようにして散音をだします。
どうせい
同声
大指または名指で弾じた後、そのまま弦を抓起または帶起して散音をだし、同時に右手で1空弦を弾じ同音を得ます。
おうごう
應合
左手の名指または中指で弾じた後、そのまま右手で2音あるいは数音の散声を連続して弾きます。この時、左手を上または下に弦の上を滑らし、右手の弾く空弦の音と応じ合う音を按じていきます。
不力 ふどう
不動
2つの用法があります。一つは左手が弦を按じ音を出した後も動かさず、音をそのままにしておくことです。もう一つは、左手が弦を按じ音を出した後、もとの音の位置で不動のまま、右手は別の弦で散音を弾じ、原音に接して弾く助けとなるものです。
じゅう
前に弾いた音の指や徽が同じ時、“就”として省略して記譜することがあります。
/  とう
下から上に、本位の音に向けて滑奏する上滑音記号です。
\氵 ちゅう
上から下に、本位の音に向けて滑奏する下滑音記号です。
ぎん
音を弾じた後、余音を上下にわずかに波うたせることを吟といいます。 清時代の徐青山は《大還閣琴譜》で“五音活溌の趣(音楽が生き生きとすること)は、半分は吟猱にある”と述べています。
じゅう
音を弾じた後の余音の波が吟より大きいものをさします。上下の半音から全音まで可能です。
() ちょうぎん
長吟
長く続く吟
糸今 さいぎん
細吟
波のはばがとても小さい吟
() ていぎん
定吟
手を動かさないほどの細かい吟
() ちょうじゅう
長猱
長く続く猱
() とうじゅう
撞犭
“撞”につづけて“犭”をします。